全国最多18回の優勝を誇る地元・京都を軸に実力のある選手をそろえた大阪や神奈川、長野、それに千葉などが優勝を争う展開になるものとみられます。また、最終9区では兵庫の田中希実選手や長崎の廣中璃梨佳選手、石川の五島莉乃選手などオリンピック出場経験のある選手たちの走りに注目です。
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NHKでは総合テレビとラジオ第1、それにNHKプラスで中継しています。
《コース紹介(全9区間 42.195km)》
ことしで43回目を迎える都道府県対抗の全国女子駅伝は、京都市右京区の「たけびしスタジアム京都」をスタートとフィニッシュにマラソンと同じ距離の42.195キロのコースで争われ、中学生から社会人までの9人のランナーがたすきをつなぎます。
▽1区(6km)
スタートの「たけびしスタジアム京都」から西大路通りを北に向かって走る6キロのコースで終盤の上りが勝負のポイントです。
◆区間最高記録:18分39秒◆
廣中 璃梨佳 【長崎】38回 (2020年)▽2区(4km)
カーブが続く4キロ。2009年の大会では北京オリンピックに出場した兵庫の小林祐梨子さんが大会史に残る29人抜きの快走で区間新記録をマークしました。
◆区間最高記録:12分07秒◆
小林 祐梨子 【兵庫】27回 (2009年)▽3区(3km)
京都御所沿いの3キロのコースで中学生が出場する最初の区間です。
◆区間最高記録:9分02秒◆
ドルーリー 朱瑛里 【岡山】 41回 (2023年)▽4区(4km)
銀閣寺のそばを走る4キロのコースで、後半の上りが勝負を左右します。
◆区間最高記録:12分29秒◆
不破 聖衣来 【群馬】 40回 (2022年)▽5区(4.1075km)
折り返し地点の京都国際会館までを走る4キロあまりの区間です。
◆区間最高記録:12分45秒◆
山崎 りさ【千葉】42回 (2024年)▽6区(4.0875km)
折り返し地点を過ぎて最初となる4キロ余りのコースで、白川通を南に下ります。勝負のポイントになる区間です。
◆区間最高記録:12分37秒◆
筒井 咲帆 【群馬】 34回 (2016年)
▽7区(4km)
鴨川を渡るまでの4キロの区間です。鴨川を渡ると8区の中学生たちが待ちます。
◆区間最高記録:12分21秒◆
小島 一恵【京都】25回 (2007年)/村松 結【京都】38回 (2020年)
▽8区(3km)
3キロのコースで中学生が出場する2つ目の区間です。
◆区間最高記録:9分30秒◆
川西 みち【福岡】 40回 (2022年)▽9区(10km)
アンカーの9区は最も長い10キロ。中盤以降に下りが続くコースを走って、フィニッシュの「たけびしスタジアム京都」を目指します。
◆区間最高記録:30分52秒◆
福士 加代子 【青森】22回 (2004年)
【豆知識】「ふるさと制度」とは
全国女子駅伝の「ふるさと制度」は1994年に行われた第12回大会から導入され、社会人や大学生のランナーが出身中学や出身高校がある都道府県の代表として大会に出場することができます。この制度では1チームにつき2つの区間まで出場できることになっています。
今大会は
▽長崎で日本郵政グループの廣中璃梨佳選手
▽石川で資生堂の五島莉乃選手
▽京都で岩谷産業の川村楓選手など合わせて35の道府県、59人が「ふるさと制度」を活用して出場します。
また今月19日に広島で行われる「全国男子駅伝」でも「ふるさと制度」が導入されています。
《注目チーム・選手は》
各都道府県の選手たちが“ふるさと”への思いを胸にたすきをつなぐ全国女子駅伝。注目チームと選手を紹介します。
◆優勝争いは?
レースは、これまで全国最多の18回の優勝を誇る地元・京都を大阪や長野、神奈川、千葉などが追う展開になるものと見られます。
前回大会まで2年連続2位の京都は去年、全日本大学女子駅伝と富士山女子駅伝を制して2冠を達成した立命館大の選手たちが出場。去年20歳以下の世界選手権に出場し、富士山女子駅伝では区間新記録をマークした1年生の山本釉未選手や村松灯選手などの走りに注目です。また「ふるさと選手」として去年12月の「山陽女子ロードレース大会」の10キロで優勝した川村楓選手も出場し、強力な布陣で3年ぶりの優勝を目指します。
おととしの優勝チーム・大阪は、マラソンで世界選手権の代表経験がある中野円花選手や、高校時代に都大路で区間賞を獲得した実力のある水本佳菜選手らに加えて、去年の全国高校駅伝で3位入賞を果たした大阪薫英女学院のエース・塚本夕藍選手などの走りに注目です。
長野は去年の全国高校駅伝で優勝した長野東高校の選手たちを中心に初めての優勝を目指します。都大路の1区で区間賞を獲得した真柴愛里選手や3区で力走を見せた窪田舞選手らがチームを引っ張ります。
12年ぶりの優勝を目指す神奈川は、去年の日本選手権の5000メートルで5位だった信櫻空選手や、おととしの全日本実業団対抗選手権の3000メートル障害で優勝した西山未奈美選手など実力のある社会人がチームを引っ張ります。
前回4位の千葉は、去年の全日本実業団対抗女子駅伝の1区で区間賞を獲得した田浦英理歌選手を中心に1994年以来の優勝を目指します。
◆注目選手は?
注目チームで紹介した選手のほか、兵庫は5000メートルや1500メートルなどで日本記録を持つ中長距離の日本のエース・田中希実選手が節目となる10回目の全国女子駅伝にアンカーで出場します。ことしは1月17日に阪神・淡路大震災から30年を迎え、兵庫の選手たちはユニフォームに30年を機に制作された「30」と記したワッペンを付けてレースに臨みます。
パリオリンピック代表の五島莉乃選手は、ことしも石川の「ふるさと選手」として出場します。去年の前回大会、能登半島地震で大きな被害を受けた石川の代表として1区で力走し区間賞を獲得。沿道からの『石川、頑張れ』という声援に、涙ながらに感謝していました。ことしはアンカーでの登場です。
東京オリンピックの5000メートルと10000メートル代表の廣中璃梨佳選手は地元・長崎からアンカーで出場します。
全国中学選手権の800メートルで優勝した岡山の石原万結選手、1500メートルで優勝した山形の井上佳奈選手など、将来の活躍が期待される選手たちが新春の都大路を駆け抜けます。
《NHK放送予定》
レースは12日午後0時半にスタートし、NHKでは総合テレビとラジオ第1、それにNHKプラスで中継します。