日赤にっせき名古屋なごや第だい二に病院びょういんで医療いりょう過誤かご 適切てきせつな治療ちりょう行おこなわず高校生こうこうせい死亡しぼう

病院びょういんによりますと、去年きょねん5月つき28日にちの早朝そうちょう、16歳さいの男子だんし高校生こうこうせいが、腹痛はらいたやおう吐おうと、下痢げりなどを訴うったえ、救急きゅうきゅう車しゃで搬送はんそうされたということです。

研修けんしゅう医いが診察しんさつし、CT検査けんさで胃いの拡張かくちょうを確認かくにんした一方いっぽう、血液けつえき検査けんさで脱水だっすいが疑うたがわれる数値すうちが出でていたことを見逃みのがし、上司じょうしの医師いしに相談そうだんせずに急性きゅうせい胃腸いちょう炎えんと診断しんだんして整腸剤せいちょうざいなどを処方しょほうし、帰宅きたくさせました。

高校生こうこうせいは症状しょうじょうが改善かいぜんしなかったため、同おなじ日ひの昼前ひるまえに再ふたたび救急きゅうきゅう外来がいらいを受診じゅしんしましたが、別べつの研修けんしゅう医いも新あらたな症状しょうじょうはないと判断はんだんして翌日よくじつ、近ちかくのクリニックを受診じゅしんするよう指示しじしたということです。

高校生こうこうせいが翌朝よくあさクリニックを受診じゅしんしたところ緊急きんきゅう処置しょちが必要ひつようだと判断はんだんされ、改あらためて日赤にっせき名古屋なごや第だい二に病院びょういんを受診じゅしんした結果けっか、十二指腸じゅうにしちょうが閉塞へいそく（へいそく）する病気びょうき、上うえ腸ちょう間かん膜まく動脈どうみゃく症候しょうこう群ぐんの疑うたがいと診断しんだんされ、入院にゅういんしました。

しかし、医師いしや看護かんご師しらによる処置しょちが適切てきせつに行おこなわれず翌日よくじつの未明みめいに心こころ停止ていしとなり、意識いしき不明ふめいのまま、およそ2週間しゅうかん後ごに亡なくなったということです。

病院びょういんは事故じこ調査ちょうさ委員いいん会かいを設置せっちし調査ちょうさした結果けっか、十二指腸じゅうにしちょうの閉塞へいそくに対にたいして適切てきせつな処置しょちが行おこなわれず、脱水だっすいへの治療ちりょうも遅おくれたことなどにより心こころ停止ていしとなり死亡しぼうしたと結論けつろんづけられたとして、遺族いぞくに対にたいして謝罪しゃざいしたということです。

亡なくなった高校生こうこうせいの家族かぞくは「何なん度ども助たすけられる機会きかいはあったのに見過みすごされてしまいました。目めの前まえで苦くるしんでいる人ひとの声こえをもっとしっかり聞きいてください。16歳さいの男の子おとこのこの人生じんせいを突然とつぜん終おわらせてしまったこと、夢見ゆめみていた未来みらいを奪うばってしまったことを決けっして忘わすれないでください」とコメントしています。

佐藤さとう公こう治ち 病院びょういん長ちょうは「苦痛くつうとおう吐おうとに苦くるしむ患者かんじゃに最後さいごまで適切てきせつな対応たいおうをせず、未来みらいある患者かんじゃを救すくうことができなかった。大変たいへん申し訳もうしわけなく、心こころからおわび申し上もうしあげたい。職員しょくいん一丸いちがんとなって再発さいはつ防止ぼうしに努つとめていきたい」と話はなしています。