ことし9月、カンボジアの首都プノンペンで「アパートを拠点に詐欺をしている日本人がいる」という情報をもとに、現地の捜査当局が部屋を捜索し、日本人の特殊詐欺グループとみられる25人を拘束しました。
現地の関係者によりますと、部屋からは複数の携帯電話やパソコン、それにマニュアルのような書類なども押収されていて、日本の警察が証拠品を確認したところ、日本国内で現金をだまし取られた被害者に関する情報が見つかったということです。
日本の警察は、この25人について、8日にも身柄を国内に移し、取り調べを始める見通しだということです。
東南アジア拠点のグループ摘発相次ぐ
東南アジアを拠点とした、日本人の特殊詐欺グループの摘発は、最近相次いでいます。
警察庁によりますと、2019年以降、タイ、フィリピン、カンボジア、ベトナムの4か国で、8つの特殊詐欺グループが現地当局によって摘発され、およそ120人が身柄を拘束されています。
「ルフィ」などと名乗り、国内各地で強盗事件を指示していたとしてことし逮捕された被告らも、フィリピンで特殊詐欺に関わっていたとみられ、そのグループのメンバー36人の身柄が2019年に拘束されています。
また、ことしに入ってから摘発が相次いでいるのがカンボジアです。
4月に南部のリゾート地のホテルを拠点とした特殊詐欺グループの日本人19人が逮捕されたほか、5月には北部のタイとの国境の町のホテルを拠点に詐欺をしてたとみられる日本人グループの身柄が拘束されています。
警察庁は、日本人の犯罪グループが、国内の闇バイトなどを実行役にする一方、拠点を海外に移す動きを加速させているとみて、各国の捜査機関とも連携し、実態解明などを進めています。