皇位継承順位が皇嗣の秋篠宮さまに次ぐ第2位の悠仁さまは、全国有数の進学校として知られる筑波大学附属高校の3年生で、宮内庁関係者によりますと、11月、幼い頃から関心を持って研究を続けてきた自然誌の分野が学べる筑波大学の生命環境学群生物学類の学校推薦型選抜の入試を受けられたということです。
そして、11日に合格が発表されたということです。
悠仁さまは、戦後の皇族で初めて、小学校、中学校、高校と、いずれも学習院以外の学校で学ばれていました。
悠仁さまは、ことし9月、18歳の成年を迎えるにあたって文書で感想を寄せ、「今は最終の学年として、進路実現に向けて努めつつ、学校行事を含め、残り少ない高校生活を大切にしたいと思います」と述べられていました。
悠仁さまの進学について、秋篠宮さまは、去年11月の記者会見で、「大学に行くという時に、本人が何をしたいかということがやはり1番大事なのだと思います。そういうことができるような場所に行ってくれたらいいのではないかなと私は思います」と述べられていました。
また、紀子さまは、ことし9月の誕生日にあたっての文書回答の中で、今後の進路について、「長男が好きなこと、学びたいことに取り組み、自分の興味を大事に持ち続けてほしいと願っています。学ぶ場所は、長男自身がしっかり考え、決めたことを尊重したいと思っております」とつづられていました。
受験された「学校推薦型選抜」とは
悠仁さまが受けられた生命環境学群生物学類の学校推薦型選抜は、いわゆる指定校推薦ではなく、出身学校長の推薦に基づいて、提出された書類と、小論文、それに面接の結果を総合的に判断して合格者を決めるもので、大学共通テストなどは課されません。
募集人員は22人で、筑波大学の一般試験に合格できる学力を有すること、生物界や生き物の仕組みに関する広い興味があり、生物や数学に優れた能力を持ち、生物に関する自主研究や国際生物学オリンピックなどで実績があること、高校などで国際的な課題をテーマとする探求的な学習や、国際交流に関する活動に取り組んだことの、いずれかに該当することが推薦の要件となっています。
悠仁さまは、幼い頃から昆虫やその生育環境に強い関心を持ち、お住まいがある赤坂御用地などでトンボ類の生態調査を続けていて、去年11月には、2012年から2022年にかけて行った調査の成果を、国立科学博物館のトンボ研究者らと共著の論文にまとめて発表されました。
また、ことし8月には、京都で開かれた昆虫に関する世界最大規模の学術会議に主催者側の招待を受けて参加され、翌日には、論文の共著者でもある国立科学博物館の研究者が、悠仁さまとともに行っている皇居でのトンボ調査の中間報告をポスターの形で発表していました。
筑波大学 生命環境学群生物学類とは
筑波大学は、日本初の教員養成機関として1872年に東京で設立された師範学校が起源で、悠仁さまが合格された生命環境学群生物学類など11の学群と専門学群があり、大学院を含めて1万6000人余りの学生が通っています。
生命環境学群生物学類は1学年80人の学生に対し70人ほどの教員がいる「国内最大規模の生物学科」で、悠仁さまが関心を持たれている昆虫を研究する教員も複数います。
また、御用邸もある静岡県の下田や長野県の菅平高原にある実験施設などで野外実習なども行われています。
それに、イギリス・マンチェスター大学の生物科学部との交換留学制度も備えているということです。
学生たちからお祝いの声
筑波大学2年生の男子学生は、「もし、筑波大学にご入学されたら僕の人生のなかですごく貴重な時間になると思います。自然豊かな場所で、生物学を学ぶにはとてもよい環境です」と話していました。
生命環境学群に通う大学2年生の女子学生は、「合格されたと聞いてびっくりしたし、おめでとうございますとお伝えしたいです。もし、研究室が一緒になったら緊張してしまいますが、お話しする機会があればうれしいです。生物学類は最先端の研究が行われていると、聞いているので、活躍される姿をすごく楽しみにしています」と話していました。
また、悠仁さまが合格されたのと同じ生物学類に通う大学3年生の男子学生は、「まさか東京から離れた筑波大学に合格して、ご入学されるかもしれないということで、本当に驚きました。生物学類は、地球全体から細胞まで本当に幅広い研究室がたくさんあるので、いろんな生物の世界を見ていただきたいですし、温かく迎えたいです」と話していました。