盗まれたファイルは見つかっておらず、警察は容疑者を通じて外部に捜査情報が流出したおそれもあるとみて調べています。
捜査関係者によりますと4月30日、松山市内に出張していた警視庁の捜査員が、捜査対象の人物に接触しようとしていたところ、この人物に車の中に置いていた捜査資料の入ったファイルを盗まれたということです。
このため警察が行方を追っていたところ、5月3日に愛媛県外で発見し、20代の男の容疑者を盗みの疑いで逮捕しました。
一方、盗まれたファイルはこれまでに見つかっていないということで、警察は、容疑者を通じて外部に捜査情報が流出したおそれもあるとみて、ファイルの所在の確認を進めるとともに、詳しいいきさつを調べています。
資料には被害者の個人情報も 警視庁「心からおわび」
警視庁によりますと、当日は、小松川警察署の50代の警部補と20代の巡査長の捜査員2人が暴力団員が関係する傷害事件の捜査のため、松山市内を訪れていました。
駐車場に止めた車に鍵をかけずに2人が一時的に離れた際に資料が盗まれ、愛媛県警に被害届を出したということです。
資料には被害者の個人情報も含まれていて、警視庁は個人情報保護委員会に報告するとともに、法令に基づき、通知が必要と認められる関係者に事情を説明したうえで謝罪したということです。
警視庁は「個人情報が含まれる資料が、盗難被害にあったことは遺憾であり、関係者に心からおわびします。再発防止に向けて捜査員に対する指導・教養を徹底していく」とコメントしています。