「アームリング付つき浮うき具ぐ」で事故じこ 正ただしい方法ほうほうで着用ちゃくようを

着用ちゃくよう方法ほうほう、どこが間違まちがっているかわかるでしょうか。

3歳さいの子こどもが誤あやまった方法ほうほうで着用ちゃくようし、一時いちじ、心こころ停止ていしの状態じょうたいになる事故じこが起おこっていたことがわかりました。

3歳さいの男の子おとこのこが、プールで…

去年きょねん8月つき、3歳さいの男の子おとこのこが「アームリング付つき浮うき具ぐ」を着つけて、屋外おくがいのレジャープールで遊あそんでいました。

その際さい、保護ほご者しゃがわずかに目めを離はなした間まに溺おぼれ、浮ういているところを発見はっけんされたそうです。

一時いちじは心こころ停止ていしと診断しんだんされ、5日間にちかん、入院にゅういんすることになりました。

両りょう腕うでと胸むねに着つける浮うき具ぐが一体いったいになった「アームリング付つき浮うき具ぐ」は、本来ほんらい、両りょう腕うでのほか、胸むね側がわに浮うき具ぐをあてて着用ちゃくようするのが正ただしい使用しよう方法ほうほうです。

しかし、この製品せいひんは前後ぜんごどちらの向むきでも着用ちゃくようできる構造こうぞうで、男の子おとこのこは、胸むね側がわに着つけるべき浮うき具ぐを、誤あやまって背中せなか側がわにあてて着用ちゃくようしていたということです。

日本語にほんごの注意ちゅうい書がきが、ない

事故じこを受うけて、国民こくみん生活せいかつセンターが調しらべたところ、インターネットの通信つうしん販売はんばいで売うられている類似るいじの商品しょうひんの中なかで、注意ちゅうい表示ひょうじが「英語えいごだけ」のものが複数ふくすう、確認かくにんされました。

今回こんかい、事故じこに遭あった男の子おとこのこが着用ちゃくようしていた製品せいひんにも、日本にっぽん語ごの注意ちゅうい書がきはありませんでした。

なぜ危険きけん？実験じっけんしてみると…

国民こくみん生活せいかつセンターでは、日本にっぽんライフセービング協会きょうかいの協力きょうりょくを得えて、プールで実験じっけんを行おこないました。こちらがその時ときの映像えいぞうです。

※動画どうがは22秒びょうです。

その結果けっか、胸むね側がわに着つけるべき浮うき具ぐを、誤あやまって背中せなか側がわに着つけた場合ばあい、浮うき具ぐが水面すいめん上じょうに浮かび上うかびあがることでうつ伏うつぶせになりやすい傾向けいこうがあることが分わかったということです。

日本にっぽんライフセービング協会きょうかい 松本まつもと貴行たかゆき 副ふく理事りじ長ちょう

「うつ伏うつぶせからあおむけになるには、浮力ふりょく体たい（浮うき具ぐ）が胸むね側がわにある場合ばあいとは逆ぎゃくに、背中せなかにある浮力ふりょく体たいを水中すいちゅうに沈しずめる力ちからが必要ひつようになって、反転はんてんしにくいと考かんがえられる」

夏場なつばに向むけて、どう注意ちゅういすれば？

調査ちょうさを行おこなった国民こくみん生活せいかつセンターに、使用しようするにあたって、注意ちゅういしておくべきことを聞ききました。

1.「アームリング付つき浮うき具ぐ」は命いのちを守まもるためのものではない

そもそもライフジャケットとは異ことなり、プールで活動かつどうするときの補助ほじょ的てきな浮うき具ぐなので、正まさしく着用ちゃくようしても安全あんぜんが保障ほしょうされるものではないことを理解りかいしてください。

2.着用ちゃくようの向むきだけではなく、ベルトなどの緩ゆるみにも注意ちゅういを

正ただしい向むきで着用ちゃくようするだけではなく、ベルトなどを適切てきせつに調整ちょうせいし、体からだに密着みっちゃくするように使用しようしましょう。

3.海うみや川かわなどでは体からだにあったライフジャケットの使用しようを

アームリング付つき浮うき具ぐは、海うみや川かわなど自然しぜんでの使用しようには適てきしません。そのような場ばでは、品質ひんしつが確保かくほされているライフジャケットを正ただしく着用ちゃくようしてください。

国民こくみん生活せいかつセンター

「水みずに不慣ふなれな子こどもは、意識いしきして対応たいおうすることが難むずかしい場合ばあいが多おおいです。アームリング付つき浮うき具ぐをプールで使用しようする場合ばあいは、正まさしく着用ちゃくようするとともに保護ほご者しゃも必かならず子こどもと水みずに入はいり、万が一まんがいちの場合ばあいにはすぐに手てを差し伸さしのべられるようにしておいてほしい」