憲法けんぽう記念きねん日び「憲法けんぽう改正かいせい求もとめる立場たちば」「憲法けんぽう守まもる立場たちば」双方そうほうが集会しゅうかい

《「憲法けんぽう改正かいせいを求もとめる立場たちば」の人ひとたちでつくる団体だんたいの集会しゅうかい》

憲法けんぽう改正かいせいを求もとめる立場たちばの「民間みんかん憲法けんぽう臨調りんちょう」などは、東京とうきょう 千代田ちよだ区くでフォーラムを開ひらき、主催しゅさい者しゃの発表はっぴょうでおよそ800人にんが参加さんかしました。

この中なかで官房かんぼう副ふく長官ちょうかん補ほを務つとめた同志社どうししゃ大学だいがくの兼けん原信はらしん克かつ特別とくべつ客員きゃくいん教授きょうじゅは「中国ちゅうごくの軍事ぐんじ拡大かくだいや北朝鮮きたちょうせんの核かく武装ぶそう、ロシアのウクライナ侵略しんりゃくと国際こくさい情勢じょうせいは悪化あっかの一途いっとだ。憲法けんぽうの改正かいせい、特とくに9条じょうの改正かいせいは私わたしたちの使命しめいだ」と訴うったえました。

このあと、能登のと半島はんとう地震じしんを踏ふまえて、「法律ほうりつでの対応たいおうには限界げんかいがあり、憲法けんぽうへの『緊急きんきゅう事態じたい条項じょうこう』の新設しんせつは不可避ふかひの課題かだいだ」などとして憲法けんぽう改正かいせいの国会こっかい発議ほつぎを各かく政党せいとうに求もとめる声明せいめいを採択さいたくしました。

参加さんかした62歳さいの男性だんせいは「憲法けんぽうが一言ひとこと一いち句く変かわっていないのはこの進すすんだ時代じだいにありえない。賛成さんせいも反対はんたいも声こえを出だし、自分じぶんの意志いしを示しめすことが国民こくみんの責任せきにんだ」と話はなしていました。

参加さんかした各党かくとうからは

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんはビデオメッセージで「社会しゃかいが大おおきく変化へんかし、憲法けんぽう改正かいせいがますます先送さきおくりのできない重要じゅうような課題かだいとなる中なか、国民こくみんに選択肢せんたくしを示しめすことは政治せいじの責任せきにんだ。いたずらに議論ぎろんを引き延ひきのばし、選択肢せんたくしの提示ていじすら行おこなわないことになれば責任せきにんの放棄ほうきと言いわれてもやむをえない」と指摘してきしました。その上うえで、自民党じみんとうの派閥はばつの政治せいじ資金しきんパーティーをめぐる問題もんだいについて改あらためて陳謝ちんしゃし「政治せいじの信頼しんらい回復かいふくのためにも政治せいじ改革かいかくの議論ぎろんとあわせて憲法けんぽう改正かいせいという重要じゅうような課題かだいについて党派とうはを超こえて連携れんけいしながら真摯しんし（しんし）に議論ぎろんを行おこなう」と強調きょうちょうしました。

また自民党じみんとう憲法けんぽう改正かいせい実現じつげん本部ほんぶの古屋ふるや本部ほんぶ長ちょうは「国会こっかいの憲法けんぽう審査しんさ会かいは憲法けんぽう改正かいせい原案げんあんの取とりまとめに向むけて議論ぎろんを加速かそくすべきだ。各党かくとうには参議院さんぎいんでも審議しんぎを促進そくしんするよう働はたらきかけていただきたい。小異しょういを捨すてて大同だいどうにつくという精神せいしんで戦後せんご初はつの憲法けんぽう改正かいせいの実現じつげんに向むけてまい進まいしんしていきたい」と述のべました。

日本にっぽん維新いしんの会かいの小野おの泰やすし輔氏しは「緊急きんきゅう事態じたい条項じょうこうの条文じょうぶん案あんを独自どくじに作成さくせいし論点ろんてんが出尽でつくすまで検討けんとうした。あとは国会こっかいで決きめるだけで、時間じかんを区切くぎり結論けつろんを出だすのは大人おとなの社会しゃかいで当たり前あたりまえのことだ。だらだらと何なん年ねん先さきになるか分わからないような議論ぎろんばかりするのはやる気やるきがないだけだ」と主張しゅちょうしました。

公明党こうめいとうの大口おおぐち憲法けんぽう調査ちょうさ会かい副ふく会長かいちょうは「大だい規模きぼ災害さいがいなどの緊急きんきゅう時じに国会こっかい機能きのうを維持いじするための憲法けんぽう改正かいせいは待まったなしであり、衆議院しゅうぎいんの憲法けんぽう審査しんさ会かいの議論ぎろんを通をつうじて論点ろんてんは出尽でつくした。賛同さんどうする会派かいはと共とともに近々ちかぢか議員ぎいん任期にんき延長えんちょうのための改正かいせい案あんのたたき台たたきだいを出だし、条文じょうぶん案あんを起草きそうできるよう全力ぜんりょくを挙あげたい」と訴うったえました。

国民こくみん民主みんしゅ党とうの玉木たまき代表だいひょうは「いざというときに備そなえて緊急きんきゅう事態じたい条項じょうこうを整備せいびすることは国民こくみんの生命せいめいと財産ざいさん、わが国わがくにの主権しゅけんを守まもるために不可欠ふかけつだ。いつまでもだらだらやっていても結果けっかは出でないのでしっかりと前まえに進すすめる必要ひつようがある」と述のべました。

《「憲法けんぽうを守まもる立場たちば」の市民しみん団体だんたいが開ひらいた集会しゅうかい》

憲法けんぽうを守まもる立場たちばの市民しみん団体だんたいが東京とうきょう・江東こうとう区くで開ひらいた集会しゅうかいには主催しゅさい者しゃの発表はっぴょうでおよそ3万まん2000人にんが参加さんかしました。

この中なかで、長年ながねん憲法けんぽうの問題もんだいに取り組とりくんでいる伊藤いとう真しん 弁護士べんごしは「経済けいざいの安全あんぜん保障ほしょうや武器ぶき輸出ゆしゅつ、そして学問がくもんや芸術げいじゅつなど、さまざまな問題もんだいに政府せいふが介入かいにゅうし憲法けんぽうを無視むしした政治せいじがどんどん進すすもうとしている。今いままで憲法けんぽうに守まもられてきた私わたしたちが今度こんどは憲法けんぽうを守まもる責任せきにんを果はたさないといけない」と訴うったえました。

集会しゅうかいのあと参加さんか者しゃたちは横断幕おうだんまくやプラカードを掲かかげながら会場かいじょうの周辺しゅうへんを行進こうしんし、「武力ぶりょくで平和へいわはつくれない」とか「憲法けんぽうを暮くらしにいかそう」と声こえを上あげました。

参加さんかした50代だいの男性だんせいは「よい形かたちで憲法けんぽうが変かわるならいいのですが、現在げんざい進すすめられている改憲かいけんの議論ぎろんには反対はんたいで、今いまの憲法けんぽうをいかしてもっと暮くらしやすく人生じんせいが豊ゆたかになるような政治せいじを行おこなってほしいです」と話はなしていました。

参加さんかした野党やとう4党とうからは

この集会しゅうかいで、立憲りっけん民主みんしゅ党とうや共産党きょうさんとうなど野党やとう4党とうは、自民党じみんとうが主張しゅちょうする、緊急きんきゅう事態じたいの際さいの国会こっかい議員ぎいんの任期にんき延長えんちょうのための憲法けんぽう改正かいせいが必要ひつようないことや、自公じこう政権せいけんは安全あんぜん保障ほしょう政策せいさくで憲法けんぽうを踏ふみにじっているなどと訴うったえました。

この中なかで立憲りっけん民主みんしゅ党とうの逢坂おうさか代表だいひょう代行だいこうは「『裏金うらがね議員ぎいん』が憲法けんぽうを議論ぎろんする正当せいとう性せいがあるのか。憲法けんぽうは国会こっかい議員ぎいんや公務員こうむいんなどを縛しばる法規ほうきであり、憲法けんぽうに縛しばられる側がわの人間にんげんが法律ほうりつを犯おかしているかもしれない中なか、声高こわだかに憲法けんぽう改正かいせいを叫さけぶことは異常いじょうな姿すがただ」と指摘してきしました。

その上うえで「緊急きんきゅう事態じたいに名なを借かりて、国会こっかい議員ぎいんの任期にんきを延長えんちょうさせる議論ぎろんを一生いっしょう懸命けんめいやっている人ひとがいるが順番じゅんばんは逆ぎゃくだ。災害さいがいに強つよい選挙せんきょや参議院さんぎいんの緊急きんきゅう集会しゅうかいの役割やくわりを充実じゅうじつさせる議論ぎろんを尽つくす必要ひつようがある」と述のべました。

共産きょうさん党とうの田村たむら委員いいん長ちょうは「戦争せんそうをする国くにづくりを何なにとしても止とめたい。集団しゅうだん的てき自衛じえい権けんの行使こうし容認ようにんや軍事ぐんじ費ひ2倍ばいなどは、歴代れきだい自民党じみんとう政権せいけんが憲法けんぽう9条じょうがあるからできないと言いっていたものばかりだ。いったいどこまで憲法けんぽうを踏ふみにじるのか。危険きけんな自公じこう政権せいけんの政治せいじを許ゆるすわけにはいかない」と訴うったえました。

れいわ新選しんせん組ぐみの櫛くし渕ふち共同きょうどう代表だいひょうは「能登のと半島はんとう地震じしんでは、がれきの撤去てっきょが進すすまず『憲法けんぽう25条じょう』が規定きていする最低さいてい限度げんどの生活せいかつが保障ほしょうされていない。被災ひさい地ちを放置ほうちしながら、災害さいがいのために憲法けんぽうを改正かいせいし、緊急きんきゅう事態じたい条項じょうこうを入いれるのは茶番ちゃばんだ」と述のべました。

社民しゃみん党とうの福島ふくしま党首とうしゅは「自民党じみんとう政権せいけんは特定とくてい秘密ひみつ保護ほご法ほうや安全あんぜん保障ほしょう関連かんれんの3文書ぶんしょなどで憲法けんぽう破壊はかいをくり返くりかえしてきた。法律ほうりつをやぶる『裏金うらがね議員ぎいん』に憲法けんぽうを変かえる資格しかくはなく、憲法けんぽう改正かいせいよりも憲法けんぽうを生いかすべきだ」と主張しゅちょうしました。