安倍あべ元もと首相しゅしょう銃撃じゅうげき 容疑ようぎ者しゃ「前日ぜんじつに岡山おかやまの遊説ゆうぜい会場かいじょうにも行おこなった」

警察けいさつによりますと、これまでの調しらべに対にたいし「特定とくていの宗教しゅうきょう団体だんたいに恨うらみがあり、安倍あべ元もと総理そうりがこの団体だんたいと近ちかしい関係かんけいにあると思おもい狙ねらった」などと供述きょうじゅつしているということです。

また、その後そのごの調しらべに対にたいして「もともとはこの宗教しゅうきょう団体だんたいの幹部かんぶを殺害さつがいしようとしたが、できなかったので、元もと総理そうりを銃じゅうで撃うつことにした」と供述きょうじゅつしていることが捜査そうさ関係かんけい者しゃへの取材しゅざいで分わかりました。

警察けいさつは、宗教しゅうきょう団体だんたいへの恨うらみがきっかけとなり、その後そのご、近ちかしい関係かんけいにあると思い込おもいこんだ安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんに襲撃しゅうげき対象たいしょうを変更へんこうしたとみて詳くわしいいきさつを調しらべています。

警備けいび関係かんけい者しゃによりますと、当時とうじ、現場げんばには警視庁けいしちょうの専属せんぞくのSPが1人にん配置はいちされていたほか、奈良なら県警けんけいの私服しふくの警察官けいさつかんなども含ふくめると合あわせて数すう十じゅう人にんの警備けいび態勢たいせいでした。

安倍あべ元もと総理そうりの後うしろ側がわにも警察官けいさつかんが配置はいちされ、周囲しゅういを360度ど警戒けいかいしていたということです。

しかし、沿道えんどうにいた人ひとが当時とうじ、撮影さつえいした動画どうがでは、容疑ようぎ者しゃが元もと総理そうりの斜ななめ後うしろからゆっくりと歩あるいて近ちかづく姿すがたが写うつっていますが、銃声じゅうせいが鳴なるまで警察官けいさつかんが制止せいしする様子ようすは確認かくにんできません。

これについて、複数ふくすうの警備けいび関係かんけい者しゃはまず、容疑ようぎ者しゃが元もと総理そうりに近ちかづく前まえに制止せいしできなかったことに問題もんだいがあるとしたうえで、背後はいごの警備けいび態勢たいせいが不十分ふじゅうぶんだったのではないかとしています。

このうちの1人にんは「これ以上いじょう近ちかづけば不審ふしん者しゃだと認識にんしきする距離きょりがきちんと設定せっていされていたのか、そして実際じっさいに不審ふしん者しゃが近ちかづいた時ときに制止せいしする態勢たいせいがなぜとられていなかったのか、検証けんしょうする必要ひつようがある」と話はなしています。

また、容疑ようぎ者しゃが近ちかづいた後のち、1発はつ目めの銃声じゅうせいが聞きこえた時点じてんで警察官けいさつかんが身みをていして元もと総理そうりを守まもったり、容疑ようぎ者しゃを取り押とりおさえたりすることができなかったのかという点てんについても検証けんしょうが必要ひつようだという声こえが上あがっています。

一方いっぽうで、選挙せんきょの遊説ゆうぜいの警備けいびについて難むずかしさを指摘してきする声こえもあります。

ある警備けいび関係かんけい者しゃは、遊説ゆうぜいの際さい、候補こうほ者しゃなどの周囲しゅういには支援しえん者しゃや陣営じんえいの関係かんけい者しゃが立たつことが多おおく、SPがすぐそばで警戒けいかいにあたれない場合ばあいがあることを理由りゆうの1つとして挙あげています。

また、遊説ゆうぜいの最中さいちゅうは壁かべを背せにするなど背後はいごに空間くうかんを作つくらないことが警備けいび上じょうは望のぞましいものの、さまざまな角度かくどから見みてほしいと考かんがえる候補こうほ者しゃなどもいるため、要望ようぼうは尊重そんちょうせざるをえないということです。

さらに、候補こうほ者しゃなどが有権者ゆうけんしゃとのふれあいを重視じゅうしする場合ばあい、それを止とめることもできないとしています。

警察庁けいさつちょうはこうした点てんを踏ふまえ、当時とうじの警備けいび態勢たいせいや対応たいおうについて検証けんしょうすることにしています。