朝から太平洋側を中心に厳しい冷え込みとなり、東京の都心では今シーズン初めて最低気温が0度を下回る「冬日」となりました。
6日は、積雪が多くなっている東北など、広い範囲で気温が上がり雨が降る見通しで、雪崩や融雪に十分注意が必要です。
放射冷却現象 各地で厳しい冷え込み
気象庁によりますと、5日は上空に寒気が流れ込み太平洋側を中心に晴れて地表の熱が奪われる放射冷却現象の影響で各地で厳しい冷え込みとなりました。
5日の最低気温は、北海道陸別町でマイナス24.6度、長野県諏訪市でマイナス6.9度、さいたま市でマイナス4.1度、東京の都心や広島市、高松市でマイナス0.2度などと、各地で今シーズン1番の冷え込みとなりました。
東京の都心で最低気温が0度を下回る「冬日」となったのは今シーズン初めてです。
日中もあまり気温は上がらず、最高気温は札幌市でマイナス1度、青森市で2度、東京の都心で9度大阪市や名古屋市、広島市で10度などと予想されています。
5日は、太平洋側を中心に空気の乾燥した状態が続くため火の取り扱いには十分注意してください。
一方、6日は日本海側と本州の南岸を低気圧が通過するため、南寄りの風が吹いて各地で気温が上がり、本州の広い範囲で雨が降る見込みです。
積雪 平年の3倍超の地域も 雪崩や融雪に注意
青森市や青森県弘前市などでは5日朝の積雪が1メートルを超え、平年のこの時期の3倍を超えています。
こうした地域でも雪どけが進むおそれがあります。
気象庁は積雪が多くなっているところでは、雪崩や融雪に十分注意するよう呼びかけています。
屋根から落雪のおそれもあります。
雪下ろしの作業の際は複数で行うなど安全に十分注意して行ってください。
雪が背丈より高く積みあがる中 雪かき 青森
青森市内では、車道の脇に雪が人の背丈より高く壁のように積み上がっていました。
連日のように雪が降りつづく中、市民が雪かきに追われていました。
雪下ろしをしていた男性が死亡 青森 板柳町
青森県で記録的な大雪となる中、4日、板柳町では小屋の屋根の雪下ろしをしていた75歳の男性が近くの用水路で意識不明の状態で見つかりその後、死亡しました。
警察は作業中に屋根から転落したとみて詳しい状況を調べています。
事故現場の付近では、雪が1メートルを超える高さまで積もっていて、小屋の屋根にも厚い雪のかたまりが残っていました。
青森市「豪雪災害対策本部」設置 雪の相談相次ぐ
青森市は4日に「豪雪災害対策本部」を設置し、多くの企業が仕事始めを迎える6日を前に日中にも除雪作業を行うなどして市内の道路の除雪を終えるとしています。
また、市は雪に関する相談窓口について12月28日から、受付時間を2時間延長するとともに、回線を3つから5つに増やしていて、5日も職員が電話に対応していました。多くは除雪の要望だということです。
湖の氷せり上がる「御神渡り」は… 長野 諏訪湖
長野県の諏訪湖では湖の氷がせり上がってできる「御神渡り(おみわたり)」の観察が始まりました。
諏訪湖の「御神渡り」は、マイナス10度前後の厳しい寒さが3日ほど続くと、湖面に張った氷が厚みを増して亀裂が入り筋状にせり上がる現象で、7年前の2018年に出現したのを最後に確認されていません。
ことしは、寒さが次第に厳しくなってくる頃とされる「小寒」の5日から、地元の八劔神社(やつるぎ)による湖面の観察が始まりました。
5日朝の諏訪市は、最低気温がマイナス6.9度と冷え込み、岸の近くは厚さ5ミリから1.5センチ程度の薄い氷に覆われていました。
八劔神社の宮坂清宮司は「観察開始早々、透明な氷を見られたのはありがたい兆候だと思う。御神渡りの出現を確認して神事を行えるように願っている」と話していました。