しかし、去年以降、揚げ物の調理に使う食用油の値上がりが続いていて、この店ではおととしまで1缶3000円程度で購入していましたが、今は5500円に上がっています。
このため調理するフライヤーを小さいサイズに買い替えて、1回当たりに使う油の量を減らしたほか、ことし4月には値段を500円から600円に値上げしました。
さらに、ほかの食材の価格も軒並み上がっているため、ほかの弁当も30円値上げしたということです。
ただ、これ以上の値上げをしては他店との競争に勝てなくなるとして、さらなる値上げは現時点ではできないとしています。
常連客の男性は「ガソリンも小麦も、すべてが値上がりしている。100円、200円くらいの値上げならしてもいいので、ここで買いますよ」と話していました。
買い物に訪れていた20代の女性は「ことし社会人になったが、食費が高くて困っている。乳製品やお菓子をよく買いますが、今回の値上げでまた手が出しづらくなる」と話していました。 この店では、ことしに入ってから店頭にある商品の3分の1ほどの仕入れ価格が値上がりしたといいますが、客離れを懸念して、販売価格に十分転嫁できていないといいます。 このため、照明の節電や、商品の包装をトレーから袋に変えるなど、コスト削減に努めていますが、利益は減っているということです。
食用油メーカーの元研究員で、今は食品に関するコンサルタント業を行っている中谷明浩さんは、食用油を繰り返し使うポイントとして、 ▽新しい油を足す『差し油』をすることや、 ▽揚げ物をしたときに出てくるカスをしっかりと取り除くこと、 ▽オイルポットと言われる容器に入れたうえで冷暗所で保管することをあげていて、揚げ物であれば2回から4回まで使用できるとしています。 一方で注意点として「悪くなった油は味が悪いだけでなく気分が悪くなることがあり、ひどい場合は食中毒に似た症状が出ることもある」と指摘しています。 そのうえで油の劣化に気付くポイントとして「黄色い色が濃くなってきたり明らかに色が変わってきたという、その少し手前くらいを目安にするとよい。嫌なにおいが出ていたら劣化のサインなので、においにも注意してもらいたい」と話していました。
買い物客 ”今回の値上げでまた手が出しづらく”
スーパー “人気の商品がどんどん値上げ 本当に厳しい”
食用油 繰り返し使う際のポイントと注意点は