また、コティン総裁は原子炉や燃料プールは常に冷却する必要があるとしたうえで「外部電源が失われた場合、ディーゼル発電機が唯一の選択肢だ。ディーゼル発電機は10日間ほどしか稼働できない」と述べ、外部電源を確保することの重要性を強調しました。
ザポリージャ原発についてIAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は12日の会見で相次ぐ砲撃によって一時、外部電源を喪失したものの、外部から電力を供給する予備の送電線が復旧したなどと説明しましたが、いまだ攻撃の対象となるリスクはなくなっておらず、原発の安全をめぐって予断を許さない状況が続いています。
葉梨法務大臣は閣議のあとの記者会見で、この夏、日本の検察官2人をICCに派遣したことを明らかにしたうえで「ICCは、法の支配に基づく国際秩序の維持や強化という観点からその役割が期待されている。さらなる協力の一環として派遣した」と述べました。
撤退したロシア軍の部隊の多くは国境を越えてロシア領内に移動したとしています。 そのうえで、この高官はウクライナ軍がハルキウ州内の重要拠点のイジュームも奪還した可能性が高いという認識を示しました。 この高官はアメリカなどが供与している兵器がウクライナ軍の反転攻勢に役立っていると指摘し、国際社会と連携しながらウクライナに対して必要な軍事支援を続けていく考えを強調しました。
そのうえで「わが国は、主権と領土そして祖国と家族を守ろうと懸命に行動するウクライナの国民とともにある。引き続き、強力な対ロ制裁とウクライナ支援の2つの柱にしっかりと取り組んでいく」と述べました。
また、11日と12日の2日間にロシア軍が行ったエネルギー関連のインフラへの攻撃により、数十万人が停電の影響を受けたとしたうえで、ロシア軍が民間施設をミサイルで攻撃していると非難しました。 そして、「これはこの戦争をたくらんだ者の絶望の表れであり、ハルキウ州での敗北への反応である。彼らは戦場でわれわれの英雄に何もできないので、民間のインフラに卑劣な攻撃をしている」と述べました。
ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナでは、東部でウクライナ軍の反転攻勢の動きが鮮明になっていて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「ウクライナ軍がハルキウ州のほぼ全域を奪還した」と分析しています。 ハルキウ州にいる親ロシア派の幹部は12日、国営ロシアテレビで、現地でウクライナ軍の部隊の規模がロシア軍の8倍に上ったという見方を示すとともに、市民およそ5000人が国境を越えてロシア国内に避難したと明らかにしました。 ロシア国防省はウクライナ東部での戦線の重要拠点となっているハルキウ州イジュームからの撤退を事実上、表明していて、「戦争研究所」はウクライナ軍がイジュームも奪還したと指摘しています。 そのイジュームの状況について12日、オンラインの記者会見を開いた市議会議員は戦闘に巻き込まれるなどして少なくともおよそ1000人の市民が死亡したと明らかにしました。
プーチン大統領は、今月15日から行われる上海協力機構の首脳会議に出席するためウズベキスタンを訪問する予定ですが、大統領府に近い情報筋によりますと、これを前に戦況などについて分析する安全保障会議が開かれる可能性があるということで、今後のプーチン政権の出方が焦点になります。
グロッシ事務局長は、12日から始まったIAEAの理事会に合わせて本部があるオーストリアのウィーンで記者会見を開きました。 このなかで、相次ぐ砲撃によって今月5日に外部電源を喪失したウクライナのザポリージャ原発について外部から電力を供給する予備の送電線が復旧し、ほかの送電線についても復旧が検討されているなどと説明しました。 一方で、グロッシ事務局長は、「危機的な状況が起きるたびに技術者たちが対応し、次に同じことがないよう神に祈っている。こういう状況を続けてはならない」と述べ、改めて原発やその周辺への砲撃の停止を求めました。 そのうえで、原発周辺を安全な区域に設定するIAEAの案をめぐってウクライナとロシアの双方と協議を始めていることを明らかにし、「双方が関心を示している兆候が見て取れる」として原発の安全確保に向けて働きかけを強める考えを示しました。
しかし、今後については「農地や農業インフラが破壊されている上、農業が盛んな東部が戦いの前線となっていて、農家も兵士となって戦闘に加わっている」と述べ、ウクライナでは農作業が例年どおり進められない事態に陥っていると指摘しました。 そのうえで、この秋から来年にかけての穀物の収穫量は豊作だった昨シーズンの1億トン余りに比べ、3割以上落ち込むという見通しを明らかにしました。 また、世界の肥料の多くを生産していたロシアからの輸出が滞り、肥料の価格が高騰していることで世界中の農家が十分な肥料を買えなくなり、農産物の生産量が落ち込むおそれもあると指摘しました。 フライシャー局長は「ことしは農産物の価格の上昇で食料を買えないことが問題だったが、来年は世界の人口を養うために十分な食べ物がない状況に陥る可能性がある」と述べ、強い懸念を示し、危機的な状況は決して終わっていないと訴えました。
そのイジュームの状況について市議会議員が12日、オンラインで記者会見に参加し、市内では、戦闘に巻き込まれるなどして少なくともおよそ1000人の市民が死亡したと明らかにしました。 また、ロシア軍によって医療施設が破壊され、薬局の薬は略奪されたなどとして、必要な治療を受けることができず亡くなった人もいるということで、医療支援が喫緊の課題だと訴えました。 現在、市内には、およそ1万人がとどまっているということですが多くのインフラが破壊されていて、今後、冬に向けては住宅の暖房設備の復旧なども急ぐ必要があるとしています。
「戦争犯罪」など捜査 日本の検察官2人を派遣
米軍高官 “ハルキウ市近郊からロシア軍が撤退”
松野官房長官「引き続き 対ロ制裁とウクライナ支援」
ゼレンスキー大統領「6000平方キロ以上を解放」
ウクライナ反転攻勢も ロシア軍事侵攻を継続する構え
ロシア側は軍事侵攻の継続を強調
原発周辺を安全区域に設定する案 協議開始
「来年は世界の人口養う十分な食べ物ない可能性」世界食糧計画
イジュームの被害と訴え