今月30
日に
退位する
天皇陛下は、26
日都内で
皇后さまとともに、
植物や
自然保護の
研究で
功績があった
人に
贈られる「みどりの
学術賞」の
授賞式に
臨まれました。
天皇陛下の
退位を
前に、
天皇皇后として
皇居の
外での
最後の
公務となりました。
天皇皇后両陛下は
午前10
時すぎに
車で
皇居を
出発し、
門の
前に
集まった
人たちに
笑顔で
手を
振ってこたえられました。
そして東京 千代田区の憲政記念館に到着し、関係者の出迎えを受けられました。
「みどりの学術賞」は、5月4日の「みどりの日」を前に植物や自然保護の研究で功績があった人を総理大臣が表彰するもので、両陛下は、平成19年の第1回の授賞式からほぼ毎年、出席されてきました。
ことしの受賞者は、屋上や埋め立て地などの環境で植物が育つ地盤の条件を解明し、緑化技術を確立した都市緑化機構の輿水肇理事長(74)と、イネの遺伝子情報から穂が実る時期のメカニズムを解析し、品種改良などに貢献した農研機構=農業・食品産業技術総合研究機構の矢野昌裕本部総括調整役(62)の2人です。
2人には菅官房長官から賞状が手渡され、両陛下は拍手を送られていました。
授賞式では、地域の緑化推進活動に貢献した個人と団体も表彰され、両陛下は受賞者が紹介されると一人一人に会釈をされていました。
このあと両陛下はレセプションに出席して受賞者らと親しくことばを交わし会場をあとにされました。
天皇陛下は即位以来、皇后さまとともに式典への出席や被災地のお見舞いなど、数多くの公務に臨まれてきましたが、これが天皇皇后として皇居の外での最後の公務となりました。
受賞者は
受賞者の輿水肇さんは「天皇陛下からは、研究内容について専門的な質問を数多く受け、知識の深さに驚きました。『これからみどりのよい時代になるといいですね』と声をかけられ、時代の節目に思いをはせていらっしゃるように感じられました。最後の皇居外での公務という貴重なタイミングでお話しできたことを一生忘れません」と話していました。
また、矢野昌裕さんは「両陛下からは『今後もこのような仕事を世の中の役に立つ形で発展させてください』とねぎらいのことばをかけていただきました。両陛下とも、とても近い距離でお話しくださり、これまでのご公務でも心遣いをされてきたことが感じられ感動しました」と話していました。