国立感染症研究所と
群馬大学の
研究グループは、マウスを
使った
実験で、
特定の
寄生虫に
感染させると
脂肪が
燃焼されて
痩せやすい
体に
なることを
証明しました。
研究グループは「
肥満を
抑制できる薬などの
開発につなげたい」として
詳しいメカニズムの
解明を
進めて
いくことにしています。
研究を行ったのは国立感染症研究所と群馬大学大学院医学系研究科のグループです。
実験では脂肪分が多い餌を与えて太らせたマウスに「腸管寄生蠕虫(ぜんちゅう)」と呼ばれる、体に害がない複数の寄生虫を感染させ、細胞や血液の変化を調べました。
その結果、寄生虫に感染したマウスは、感染していないマウスと比べて同じ量の餌を食べていても、体重の増加が抑えられたうえ、血液中の中性脂肪が低下することがわかりました。
研究グループの分析によりますと寄生虫は「腸内細菌」を増やし、この細菌が作用してエネルギーの代謝を高める特定のタンパク質を増加させたことがわかり、脂肪を燃焼しやすい体になっていたということです。
また、寄生虫に感染しても健康に変化はなかったということです。
研究グループの国立感染症研究所の久枝一部長は「寄生虫によって痩せるという話は昔からあったが、その効果が世界で初めて科学的に証明された。今後は、さらに詳しいメカニズムを解明し、肥満を抑制できる健康食品や薬などの開発につなげていきたい」としています。