金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごう議事ぎじ録ろく 異い次元じげん緩和かんわ開始かいし3か月かげつ後ごから半年はんとし分ぶん公開こうかい

日銀にちぎんが異い次元じげん緩和かんわを始はじめた翌月よくげつの2013年ねん5月つき、当時とうじアメリカの中央ちゅうおう銀行ぎんこうにあたるFRB＝連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど理事りじ会かいを率ひきいていたバーナンキ議長ぎちょうが、市場しじょうに大量たいりょうの資金しきんを供給きょうきゅうする量的りょうてき緩和かんわの規模きぼを縮小しゅくしょうする可能かのう性せいを指摘してきしたことをきっかけに緩和かんわマネーの流ながれが変かわるのではないかという見方みかたが強つよまり、金融きんゆう市場しじょうに動揺どうようが広ひろがりました。

この年としの8月つきの会合かいごうでは、こうした状況じょうきょうを踏ふまえ、木内きうち登のぼる英えい審議しんぎ委員いいんが「正常せいじょう化かに向むけた動うごきが金融きんゆう市場しじょうの不安定ふあんてい化かを招まねきやすいという非ひ伝統でんとう的てき政策せいさくが抱かかえるリスクを浮き彫うきぼりにした。他国たこくと比較ひかくして財政ざいせい環境かんきょうが著いちじるしく悪わるく、金利きんりの大幅おおはば上昇じょうしょうが財政ざいせい危機きき、金融きんゆうシステム危機ききの同時どうじ発生はっせいに直結ちょっけつする可能かのう性せいがある日本にっぽんではこのリスクにとりわけ注意ちゅういを払はらう必要ひつようがある」と指摘してきしました。

また9月つきの会合かいごうで、当時とうじの中曽なかそ宏ひろし副ふく総裁そうさいは「量的りょうてき緩和かんわの規模きぼ縮小しゅくしょうが実際じっさいに始はじまったら市場しじょうは落ち着おちつきを取り戻とりもどすのかと言いえばなかなかそうはなりにくいのではないか。市場しじょうは次つぎから次つぎへと新あたらしいテーマに思惑おもわくをめぐらしていくのだろうと思おもう」と述のべ、金融きんゆう政策せいさくの正常せいじょう化かにあたり市場しじょうとのコミュニケーションをはかることの難むずかしさに言及げんきゅうしました。

さらに10月つきの会合かいごうでは宮尾みやお龍蔵りゅうぞう審議しんぎ委員いいんが「FRBの政策せいさくから得えられる重要じゅうような教訓きょうくんは将来しょうらいの政策せいさくに関にかんする情報じょうほう発信はっしんにおいてはどの程度ていど透明とうめい性せいを高たかめるべきかという点てんが重要じゅうようでその点てん、細心さいしんの注意ちゅういが必要ひつようである」と指摘してきするなどこの期間きかん、政策せいさく委員いいんの間まで金融きんゆう政策せいさくの正常せいじょう化かを進すすめるうえでのリスクが強つよく意識いしきされていたことが分わかりました。

今いま、市場しじょうでは、日銀にちぎんの政策せいさく転換てんかんのタイミングが近ちかづいているという見方みかたが出でていて、今後こんご、日銀にちぎんが市場しじょうとのコミュニケーションをどうはかるかが焦点しょうてんとなります。