今回、
悪用されたとみられるのは、
外国人観光客が
商品を
国外に
持ち出して
消費する
場合などに、
消費税が
免税される
制度です。
免税品は、外国人観光客などが税務署の許可を受けた免税店で購入することができ、家電製品やカバン、化粧品や食品など、日常の生活で使われるものが対象になっています。
免税手続きをした人が、出国時に免税品を所持していなかったり、出国までに輸出していなかったりすると、免税の対象にならないとして、消費税を徴収されます。
一方、免税品は、事業用や販売目的の場合は免税の対象になりません。
免税品をめぐっては、コロナ禍前には、インバウンドの増加を背景に、免税制度を悪用した不正な消費税の還付や、転売目的の購入が相次いでいて、水際対策が大幅に緩和される中、国税当局は警戒を強めています。
国税庁は、不正の防止などを目的に、おととし4月から、免税店が購入記録や客のパスポート情報を国税庁に送る仕組みを導入し、税関ともこの情報を共有して、対策強化を進めています。
免税品の売り上げは回復傾向
日本百貨店協会によりますと、ことし1
月から9
月までの
全国の88の
百貨店の
免税品の
売り上げは
およそ615
億3900
万円で、コロナ
禍で
落ち込んだ
去年1
年間をすでにおよそ156
億円上回っています。
入国者数の段階的な引き上げとともに、ことし7月以降は1か月当たりの売り上げが去年の同じ時期と比べて倍以上に伸びていて、ことし9月の売り上げは去年の同じ時期のおよそ3倍になっています。
ことし9月は、免税品を購入した客はおよそ2万8000人に上り、客1人当たりの平均では、およそ33万円相当の商品を購入しているということです。
人気の商品をみると、1位が化粧品、次いで高級ブランド品、食料品です。
免税手続きをした人を国や地域別でみると、最も多かったのは中国で、次いで、台湾、韓国でした。
日本百貨店協会は、「コロナ禍前と比べるとまだ低い水準ではあるものの、水際対策が大幅に緩和された先月以降、免税品の売上はさらに伸びていると感じる」としています。