日本にっぽんはこれまで、月面げつめんに着陸ちゃくりくした実績じっせきがなく、成功せいこうすれば、旧きゅうソビエト（1966年ねん）、アメリカ（1966年ねん）、中国ちゅうごく（2013年ねん）に続つづく4番目ばんめとなります。

計画けいかくでは、「OMOTENASHI」は、ロケットから分離ぶんりされたあと探査たんさ機きが持もつガスジェットを噴射ふんしゃして、月つきに向むけて軌道きどうを修正しゅうせい。そして、月つきに降り立おりたつ直前ちょくぜんに、着陸ちゃくりく態勢たいせいに入はいるため、向むきを変かえるとともに、探査たんさ機きそのものを回転かいてんさせながら姿勢しせいを安定あんていさせます。

大気たいきのある地球ちきゅうと異ことなり、パラシュートを開ひらいて減速げんそくすることができないので速度そくどを落おとすための固体こたいロケットを進行しんこう方向ほうこうに噴射ふんしゃ。時速じそくをおよそ180キロまで落おとして月つきに衝突しょうとつさせます。

探査たんさ機きにはあらかじめ、衝撃しょうげきを吸収きゅうしゅうする緩衝かんしょう材ざいを入いれるなど、複数ふくすうの対策たいさくが施ほどこされていて、まさに月つきに「体からだ当あたり」で着陸ちゃくりくする計画けいかく。成功せいこうしたかどうかは、地球ちきゅうに送おくられる電波でんぱで確認かくにんすることにしています。

「OMOTENASHI」はミッションとして、月面げつめん着陸ちゃくりくのほか、月つきに向むかう軌道きどうに入はいった後のち、被ひばく線量せんりょうを1分ふんごとに計測けいそくする予定よていで、有人ゆうじんでの月つき探査たんさ活動かつどうに備そなえて、放射線ほうしゃせん環境かんきょうに関にかんするデータを集あつめることにしています。

月面げつめんに降り立おりたつことができれば、世界せかい最小さいしょうの月面げつめん着陸ちゃくりく機きになるということで、注目ちゅうもくされます。

「アルテミス計画けいかく」は宇宙うちゅう飛行ひこう士しを再ふたたび月つきに送おくる計画けいかくで、アメリカが中心ちゅうしんとなって進すすめ、日本にっぽんやヨーロッパなども参加さんかしています。

1960年代ねんだいから70年代ねんだい、人類じんるいを月面げつめんに送り込おくりこんだ「アポロ計画けいかく」と同様どうよう、ギリシャ神話しんわにちなんで名付なづけられ、「アルテミス」は「アポロ」の双子ふたごの妹いもうとで、月つきの女神めがみとされています。

計画けいかくではまずは、3つの段階だんかいで月つきを目指めざします。

その後そのご、第だい2段階だんかいとして2024年ねんを目標もくひょうに実際じっさいに宇宙うちゅう飛行ひこう士しを乗のせて月つきを周回しゅうかいする試験しけん飛行ひこうを行おこない、第だい3段階だんかいとして2025年ねんを目標もくひょうに宇宙うちゅう飛行ひこう士しが月面げつめんに降り立おりたつ計画けいかくです。

計画けいかくどおりに実現じつげんすれば、1972年ねんにアポロ17号ごうが宇宙うちゅう飛行ひこう士しを乗のせて月面げつめんに着陸ちゃくりくして以来いらい、およそ半はん世紀せいきぶりのこととなります。

さらにその先さきには月つきを周回しゅうかいする新あたらしい宇宙うちゅうステーション「ゲートウェイ」を建設けんせつし、宇宙うちゅう飛行ひこう士しを定期ていき的てきに送り込おくりこんで滞在たいざいできるようにする計画けいかくです。

この計画けいかくでは月つきを拠点きょてんとして、2030年代ねんだいには火星かせいに有人ゆうじん着陸ちゃくりくすることも見据みすえています。

NASAは当初とうしょ、2024年ねんまでに宇宙うちゅう飛行ひこう士しを月つきに降り立おりたたせることを目指めざしていましたが、ロケットの開発かいはつが遅おくれて打ち上うちあげがずれ込ずれこんでいました。

今回こんかいの計画けいかくでNASAは初はじめての女性じょせい飛行ひこう士しの月面げつめん着陸ちゃくりくを目指めざすほか、日本人にっぽんじん宇宙うちゅう飛行ひこう士しが月面げつめんに降り立おりたつことも検討けんとうされています。