結婚けっこん後ご、10年ねんほど前まえから「妊活かつ」に取り組とりくみ、32歳さいの時とき、本格ほんかく的てきに不妊ふにん治療ちりょうを受うけるため、正せい社員しゃいんとして働はたらいていた会社かいしゃを休職きゅうしょくしました。

高度こうどな治療ちりょうが必要ひつようと診察しんさつされていたことや自分じぶんの年齢ねんれいを考慮こうりょし、夫おっとの転勤てんきんにあわせて決断けつだんしたといいます。

しかし、不妊ふにん治療ちりょうや出産しゅっさんの費用ひようはあわせて300万まん円えんにのぼり今後こんごの生活せいかつのための貯蓄ちょちくは大おおきく減へってしまいました。

さらに、復職ふくしょく後ごは通勤つうきん時間じかんの事情じじょうで仕事しごとと子育こそだてを両立りょうりつするため別べつの会社かいしゃの契約けいやく社員しゃいんに転職てんしょくし、夫おっとと合あわせた収入しゅうにゅうが正せい社員しゃいんのときと比くらべて大幅おおはばに減へることになりました。

片平かたひらさんは、第だい一いち子しの教育きょういく費ひも考慮こうりょすると第だい二に子しは諦あきらめざるを得えないと考かんがえています。「2人にん産うんで4人にん家族かぞくになったら楽たのしいだろうなという気持きもちがある一方いっぽうで、現実げんじつ面めんを考かんがえるといまは子育こそだてや教育きょういく費ひにすごくお金おかねがかかるので、1人にん目めを産うむことで金銭きんせん的てきにも苦労くろうした分ぶん、2人にん目めという気持きもちにはなれない面めんもあります」

去年きょねん1年間ねんかんの出生しゅっしょう数すうは81万まん1622人にんで、12月つきまでの3か月かげつ間かんも今いまのペースのままで推移すいいすれば国くにが統計とうけいを取とり始はじめた1899年ねん以降いこうで初はじめて80万まん人にんを下回したまわる可能かのう性せいがあります。

大手おおてシンクタンク「日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ」が今月こんげつ上旬じょうじゅんに公表こうひょうした推計すいけいでは、最終さいしゅう的てきなことしの出生しゅっしょう数すうは約やく77万まん人にんで、80万まん人にんを下回したまわる見通みとおしとなっています。

80万まん人にんを下回したまわれば、国立こくりつ社会しゃかい保障ほしょう・人口じんこう問題もんだい研究所けんきゅうじょが2017年ねんに公表こうひょうした予測よそくよりも8年ねん早はやく、少子しょうし化かが想定そうていを上回うわまわるペースで進すすんでいることになります。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは少子しょうし化かの進行しんこうについて「結婚けっこんや妊娠にんしんを控ひかえるなど長期ちょうき化かするコロナ禍かの影響えいきょうがあったのではないか」としています。

その後そのごは上昇じょうしょう傾向けいこうが続つづき、終戦しゅうせん後ごの「第だい1次じベビーブーム」（昭和しょうわ22年ねん～24年ねん）にあたる1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）には最多さいたの269万まん6638人にんに上のぼりました。

その後そのごは減少げんしょう傾向けいこうとなりますが、1960年代ねんだいから1970年代ねんだい半なかばごろにかけては一時いちじ、増加ぞうかに転てんじ、「第だい2次じベビーブーム」（昭和しょうわ47年ねん～49年ねん）を迎むかえました。

1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）には209万まん1983人にんに上のぼりますが、その後そのごは再ふたたび減へっていきました。

1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）は124万まん6802人にんで、1990年代ねんだいは120万まん人にん前後ぜんごで推移すいいしていましたが、2000年代ねんだいに入はいるとさらに減少げんしょう傾向けいこうとなり、2016年ねん（平成へいせい28年ねん）には97万まん7242人にんと、初はじめて100万まん人にんを下回したまわりました。

最近さいきんでは、

▽2019年ねんはいわゆる「令りょう和わ婚こん」で前まえの年としから増加ぞうかし、59万まん9007組くみとなりましたが、

▽2020年ねんは52万まん5507組くみ（前年ぜんねん比ひ－7万まん3500組くみ）、

▽2021年ねんは50万まん1138組くみ（前年ぜんねん比ひ－2万まん4369組くみ）と、戦後せんご最もっとも少すくなくなりました。

国立こくりつ社会しゃかい保障ほしょう・人口じんこう問題もんだい研究所けんきゅうじょが5年ねんに1度ど程度ていど行おこなっている「出生しゅっしょう動向どうこう基本きほん調査ちょうさ」では、2021年ねんの時点じてんで「一生いっしょう結婚けっこんするつもりがない」と回答かいとうした人ひとが18歳さいから34歳さいまでの世代せだいで男女だんじょとも増加ぞうかしていることから、「日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ」は結婚けっこんの件数けんすうは今後こんごも減少げんしょうしていくことが懸念けねんされるとしています。

2021年ねんの時点じてんで2.25人にんで、2015年ねんの調査ちょうさより0.07人にん低下ていかしています。

予定よていする子こどもの数かずが希望きぼうの子こどもの数かずを下回したまわる夫婦ふうふに対にたいして、希望きぼうの数かずの子こどもを持もたない理由りゆうについて複数ふくすう回答かいとうでたずねたところ「子育こそだてや教育きょういくにお金おかねがかかりすぎるから」という「経済けいざい的てきな理由りゆう」が52.6％と最もっとも多おおくなりました。

次ついで「高こう年齢ねんれいで生うむのはいやだから」が40.4％、「欲ほしいけれどもできないから」が23.9％などとなっています。

一方いっぽう、「未婚みこん者しゃの希望きぼうの子こどもの数かず」は2021年ねんの時点じてんで

▽男性だんせいが1.82人にん、▽女性じょせいが1.79人にんで前回ぜんかいの調査ちょうさと比くらべて

▼男性だんせいは0.09人にん、▼女性じょせいは0.23人にん減少げんしょうしています。

女性じょせいは1982年ねんの調査ちょうさ開始かいし以来いらい、初はじめて2人にんを下回したまわっています。