旧きゅう統一とういつ教会きょうかいの被害ひがい者しゃ救済きゅうさいを図はかる新あらたな法案ほうあんは、現在げんざいの法律ほうりつでは十分じゅうぶんに対応たいおうできていない悪質あくしつな献金けんきんを規制きせいするもので、政府せいふは28日にち午後ごご、自民じみん・公明こうめい両りょう党とうのそれぞれの会合かいごうで、法案ほうあんの条文じょうぶん案あんを示しめしました。

条文じょうぶん案あんでは、法人ほうじんが寄付きふを勧誘かんゆうする際さいに、

▽霊感れいかんなどの知見ちけんを使つかって、個人こじんの不安ふあんをあおったり不安ふあんに乗じょうじたりして、寄付きふが必要ひつよう不可欠ふかけつだなどと告つげることなど、個人こじんを困惑こんわくさせる不当ふとうな行為こういを禁止きんししています。

このほか、

▽個人こじんに借金しゃっきんさせたり、自宅じたくなどを売うらせたりしてまで、寄付きふの資金しきんを調達ちょうたつするよう要求ようきゅうすることも禁きんじています。

また、野党やとう側がわがいわゆるマインドコントロールによる悪質あくしつな献金けんきんの禁止きんしを求もとめてきたことも踏ふまえ、法人ほうじん側がわに対にたいし、

▽個人こじんの自由じゆうな意思いしを抑圧よくあつし、適切てきせつな判断はんだんが困難こんなんな状況じょうきょうに陥おちいることがないようにし、

▽個人こじんや家族かぞくの生活せいかつの維持いじを困難こんなんにすることがないようにするなど、配慮はいりょ義務ぎむを課かすとしています。

そして、禁止きんし行為こういに違反いはんし、その後そのごの行政ぎょうせいの勧告かんこくや命令めいれいにも従したがわなかった場合ばあいには、1年ねん以下いかの懲役ちょうえきか、100万まん円えん以下いかの罰金ばっきんの刑事けいじ罰ばつが科かされます。

一方いっぽう、被害ひがい者しゃの救済きゅうさいでは、禁止きんしする勧誘かんゆう行為こういで行おこなわれた寄付きふに「取消とりけし権けん」を認みとめ、被害ひがいを取り戻とりもどせるとしています。

また、寄付きふした本人ほんにんが取り消とりけしを求もとめない場合ばあいには、扶養ふようされている子こどもなどにも、本来ほんらい受け取うけとれるはずだった養育よういく費ひなど、一定いっていの範囲はんい内ないで「取消とりけし権けん」が認みとめられ、特例とくれいとして、養育よういく費ひなどの算定さんていは未み成年せいねんの子こどもが18歳さいになるまでの期間きかんなど、将来しょうらい分ぶんまで含ふくめることができるとしています。

この条文じょうぶん案あんは、自民党じみんとうの会合かいごうで了承りょうしょう、公明党こうめいとうの会合かいごうで大筋おおすじで了承りょうしょうされました。

政府せいふは法案ほうあんを今週こんしゅう中ちゅうに閣議かくぎ決定けっていする方針ほうしんで、来月らいげつ10日にちが会期かいき末まつの今いまの国会こっかいでの成立せいりつを目指めざしています。