お腹おなかからプラごみ ジュゴンの赤あかちゃん死しぬ タイ

ロイター通信ろいた-つうしんなどによりますと、マリアムはことし４月しがつ、タイ南部なんぶの海岸かいがんで迷子まいごになっていたところを保護ほごされ、地元じもとの獣しし医師いしなどが自然しぜん界かいに復帰ふっきさせようと飼育しいくを続つづけ、えさやりの様子ようすなどがＳＮＳで公開こうかいされると、その愛あいらしさからたちまち人気にんき者しゃになりました。

獣しし医師いしたちは海うみに戻もどすことを何なん回かいか試こころみましたが、マリアムはほかの生き物いきものから受うけたと見みられる傷きずを負おって飼育しいく場所ばしょに戻もどり、先週せんしゅうから急きゅうに食欲しょくよくがなくなり衰弱すいじゃくしたということです。

解剖かいぼうの結果けっか、マリアムの腸ちょうには多おおくのプラスチックごみが詰つまっていたことが分わかり、獣しし医師いしはこの影響えいきょうで腸ちょうや肺はいで炎症えんしょうが起おき、感染かんせん症しょうなどを引き起ひきおこしたことが死因しいんと見みています。

世界せかい各地かくちではこのほかにも、クジラなどの海洋かいよう生物せいぶつの死骸しがいからプラスチックごみが見みつかるケースが相次あいついでいて、海うみの生態せいたい系けいに深刻しんこくな影響えいきょうを及およぼしています。

プラごみ 世界せかいの深海しんかいでも確認かくにん

プラスチックごみをめぐっては、世界せかい各地かくちの海うみで問題もんだいとなっています。

その多おおくは海面かいめんに漂ただよっていますが、イギリスの大学だいがくなどの研究けんきゅうグループが2008年ねんから10年間ねんかんにわたって行おこない、ことしまとめた調査ちょうさによりますと、深海しんかいでも大おおきさが５ごミリ以下いかのプラスチック＝マイクロプラスチックによる汚染おせんが確認かくにんされました。

日本にっぽん海溝かいこうやマリアナ海溝かいこうなど太平洋たいへいようの深ふかさ7000から１いち万まんメートル余あまりの６むっつの海溝かいこうで、生息せいそくする甲殻こうかく類るいの体内たいないを調しらべたところ、およそ70％から１ひとつ以上いじょうのプラスチックや合成ごうせい物質ぶっしつのかけらなどが確認かくにんされたということです。

調査ちょうさした海溝かいこうのうち、最もっとも深ふかい１いち万まん890メートルのマリアナ海溝かいこうでは、集あつめたすべての生物せいぶつの体内たいないから人工じんこうの物質ぶっしつが確認かくにんされたほか、ことし５月ごがつにもマリアナ海溝かいこうに潜もぐったアメリカの探検たんけん家かによって、プラスチックの袋ふくろが沈しずんでいるのが確認かくにんされました。

国連こくれんは世界中せかいじゅうの海うみに年間ねんかんおよそ800万まんトンのプラスチックごみが流れ込ながれこんでいると推計すいけいしていて、深刻しんこくな海洋かいよう汚染おせんが懸念けねんされています。