4年前、
浜松市のスクランブル
交差点で
歩行者を
次々とはね、
1人を
死亡させ、
4人にけがを
負わせたとして
殺人などの
罪に
問われた
中国籍の36
歳の
被告について、
2審の
東京高等裁判所は、
責任能力がなかったとして
1審の
懲役8年を
取り消し、
無罪を
言い渡しました。
無罪を言い渡されたのは、浜松市の無職で中国籍の36歳の女性です。平成27年5月、浜松市中区鍛冶町のスクランブル交差点で車を急発進させて歩行者を次々とはね、近くに住む水鳥真希さん(当時31)を死亡させ、4人にけがを負わせたとして殺人や殺人未遂などの罪に問われました。
1審で被告側は責任能力がなかったと無罪を主張しましたが、静岡地方裁判所浜松支部はおととし7月、責任能力があったと判断し、検察の求刑どおり懲役8年を言い渡していました。
29日の2審の判決で東京高等裁判所の朝山芳史裁判長は「当日、統合失調症が悪化した状態だったことや、事故のあと突然激しく興奮した状態だったことから、行為を制御する能力が残っていたか合理的な疑いがある」として、責任能力がなかったと判断し、1審の判決を取り消して無罪を言い渡しました。
東京高等検察庁の山上秀明次席検事は「判決内容を十分に精査・検討し、適切に対処したい」というコメントを出しました。
遺族「病気理由に罪を償わないのは理解できない」
裁判に被害者の立場で参加してきた水鳥真希さんの夫の達也さん(35)は判決の後、涙を流しながら取材に応じ、「あれだけのことをしたのに、病気を理由に罪を償わないのは理解できない。妻になんと伝えていいのかわからない」と話していました。