大相撲の
元横綱・
白鵬の
宮城野親方が
弟子の
暴力問題で、
日本相撲協会から
最下位の
年寄への「2
階級降格」と「
報酬減額」の
懲戒処分を
受けました。
また、
師匠としての
素養や
自覚が
大きく
欠如しているとして
宮城野部屋については、
来月の
春場所は、
所属する
伊勢ヶ
濱一門の
中で
任命された
師匠代行が
監督することになりました。
日本相撲協会によりますと先月、公式のSNSに宮城野部屋に所属する幕内力士の北青鵬が、同じ部屋の力士に暴行を繰り返していると投稿が寄せられました。
そして、その後の調査で北青鵬は2人の後輩力士に対し、顔面に平手打ちをしたことやほうきの柄で尻をたたくなどの暴行を行っていたことを認めたということです。
また、師匠の宮城野親方については暴行を把握しながら協会のコンプライアンスの担当理事への報告を怠った上、協会の調査に部外者を関与させるなどして妨害したとしています。
23日、東京 両国の国技館で開かれた協会の臨時理事会では宮城野親方は監督責任などを問われて現在の委員から最下位の年寄への2階級降格と、報酬減額の懲戒処分を受けました。
さらに師匠としての素養や自覚が大きく欠如しているとして宮城野部屋については、来月の春場所は所属する伊勢ヶ濱一門の中で任命された師匠代行が監督することになりました。
さらに4月以降も伊勢ヶ濱一門が宮城野部屋を預かり宮城野親方に対し、師匠・親方としての指導と教育を行うことを検討することになりました。
また、北青鵬は引退届けを提出し、受理されましたが「引退勧告」相当の事案であったことが確認されました。
宮城野親方 “師匠として重く受け止め深く反省しております”
日本相撲協会によりますと宮城野親方は処分を言い渡された際、「2人の弟子を守ることができず、師匠として重く受け止め、深く反省しております」と話したということです。
宮城野親方とは
元横綱・白鵬の宮城野親方は現役時代、史上最多となる45回の優勝を果たしたほか、通算1187勝、横綱在位はおよそ14年にわたる84場所といずれも史上最多を記録し、現役生活およそ20年で数々の記録を打ち立てて、3年前の秋場所後に引退しました。
引退後は間垣親方として宮城野部屋の部屋付きの親方として後進の指導に当たり、おととし7月に宮城野部屋を継承し、部屋の師匠として新たなスタートを切っていました。
師匠としてはこれまでに今回、引退勧告を受けた北青鵬や去年の名古屋場所で幕内で優勝争いに加わった伯桜鵬などを育ててきました。
北青鵬とは
北青鵬は札幌市出身の22歳。
モンゴル生まれで5歳の時に来日しました。
子どものころに今の師匠で元横綱・白鵬の宮城野親方に会ったことをきっかけに相撲を始め、高校卒業後に宮城野部屋に入門して令和2年の春場所で初土俵を踏みました。
身長2メートル4センチ、体重182キロの体格を生かした四つ相撲を持ち味に序ノ口から幕下までいずれも優勝して番付を上げ、初土俵から1年半で新十両に昇進しました。
右ひざのけがで休場した影響で一度、幕下に陥落しましたが再び、十両に返り咲き、4場所連続で勝ち越して去年の春場所で新入幕を果たしました。
また、昭和28年の秋場所の前に十両以上で身長などの公式計測が始まってから新入幕を果たした中では最も長身の力士に並びました。
長い手足を生かして相手の肩越しに右上手を取り、豪快に投げたり強引に寄り切ったりする相撲は「規格外」とも呼ばれ、去年の秋場所では、幕内では初のふた桁勝利となる10勝5敗の成績を収めました。
しかし、先月の初場所では序盤戦を2勝3敗で終えたあと、右ひざの半月板の損傷で手術をする予定とした上で4週間のリハビリを要するとする診断書を提出して6日目から休場していました。