【このあと速報】日銀総裁候補植田和男氏に所信聴取参議院 - Easy News

政府せいふは今月こんげつ14日にち、日銀にちぎんの黒田くろだ総裁そうさいの後任こうにんに元もと日銀にちぎん審議しんぎ委員いいんで経済けいざい学者がくしゃの植田うえだ和男かずお氏しを起用きようする案あんを国会こっかいに提示ていじしました。

先週せんしゅう24日にちに衆議院しゅうぎいん議院ぎいん運営うんえい委員いいん会かいで総裁そうさい、副ふく総裁そうさいの候補こうほ者しゃ3人にんの所信しょしん聴取ちょうしゅと質疑しつぎが行おこなわれたのに続つづいてきょうはこのあと午後ごご1時じすぎから参議院さんぎいんの議院ぎいん運営うんえい委員いいん会かいで植田うえだ氏しに対にたいする所信しょしん聴取ちょうしゅと質疑しつぎが行おこなわれます。

植田うえだ氏しの所信しょしんや質疑しつぎのやりとりについて速報そくほうでお伝おつたえします。

植田うえだ和男かずお氏し経歴けいれき

日銀にちぎん総裁そうさい候補こうほの植田うえだ和男かずお氏しは71歳さい。

マクロ経済けいざい学がくや金融きんゆう論ろんの分野ぶんやでは日本にっぽんを代表だいひょうする経済けいざい学者がくしゃの1人にんです。

1974年ねんに東京とうきょう大学だいがく理学部りがくぶを卒業そつぎょう後ご、経済けいざい学部がくぶの大学院だいがくいんで研究けんきゅう活動かつどうに取り組とりくみます。

アメリカのマサチューセッツ工科大学まさちゅ-せっつこうかだいがく大学院だいがくいんに留学りゅうがくし博士はかせ号ごうを取得しゅとく。

1993年ねんに東京とうきょう大学だいがく経済けいざい学部がくぶの教授きょうじゅとなります。

そして1998年ねんから7年間ねんかん日銀にちぎんの審議しんぎ委員いいんを務つとめ、「ゼロ金利きんり政策せいさく」や「量的りょうてき緩和かんわ政策せいさく」の導入どうにゅうを理論りろん面めんで支ささえました。

その後そのご、東京とうきょう大学だいがく大学院だいがくいん経済けいざい学がく研究けんきゅう科かの教授きょうじゅとして大学だいがくに戻もどりました。

2017年ねんからは共立きょうりつ女子じょし大学だいがくの教授きょうじゅを務つとめています。

また、日本にっぽん政策せいさく投資とうし銀行ぎんこうの社外しゃがい取締役とりしまりやくや日銀にちぎん金融きんゆう研究所けんきゅうじょの特別とくべつ顧問こもんなど学外がくがいでも幅広はばひろく活動かつどうしています。

きょうのスケジュール

きょうの衆議院しゅうぎいん議院ぎいん運営うんえい委員いいん会かいのスケジュールです。

所信しょしん聴取ちょうしゅは午後ごご1時じすぎから始はじまりまず総裁そうさい候補こうほの植田うえだ氏しが所信しょしんを述のべます。

その後そのご、夕方ゆうがたにかけて各党かくとう議員ぎいんからの質問しつもんを受うけることになっています。

なお、日銀にちぎん理事りじの内田うちだ眞一しんいち氏しと前ぜん金融きんゆう庁ちょう長官ちょうかんの氷見ひみ野良のら三さん氏しの2人にんの副ふく総裁そうさい候補こうほへの参議院さんぎいんでの所信しょしん聴取ちょうしゅはあす、28日にちに行おこなわれる予定よていです。

【衆議院しゅうぎいん所信しょしん聴取ちょうしゅでの発言はつげんポイントは？】

先週せんしゅう24日にちに衆議院しゅうぎいん議院ぎいん運営うんえい委員いいん会かいで行おこなわれた植田うえだ氏しへの所信しょしん聴取ちょうしゅと質疑しつぎでどのような発言はつげんがあったのか。

主おもなポイントごとにまとめました。

1：大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわを継続けいぞくするか

黒田くろだ総裁そうさいのもとで続つづけられている今いまの大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ。

植田うえだ氏しはこれを継続けいぞくし、2％の物価ぶっか目標もくひょうの実現じつげんを目指めざす考かんがえを示しめしました。

「さまざまな副作用ふくさようが生しょうじているが、経済けいざい・物価ぶっか情勢じょうせいを踏ふまえると、2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうの実現じつげんにとって必要ひつようかつ適切てきせつな手法しゅほうであると思おもう。これまで日銀にちぎんが実施じっししてきた金融きんゆう緩和かんわの成果せいかをしっかりと継承けいしょうし、積年せきねんの課題かだいであった物価ぶっか安定あんていの達成たっせいというミッションの総そう仕上しあげを行おこなう5年間ねんかんとしたい」

2：物価ぶっかの見通みとおしと2％の物価ぶっか目標もくひょうの達成たっせい時期じき

2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうの実現じつげんにはなお時間じかんがかかるという考かんがえを示しめしました。

「現在げんざい、わが国わがくには、内外ないがい経済けいざいや金融きんゆう市場しじょうをめぐる不ふ確実かくじつ性せいが極きわめて大おおきい状態じょうたいだ。消費しょうひ者しゃ物価ぶっかの上昇じょうしょう率りつは2023年度ねんど半なかばにかけて2％を下回したまわる水準すいじゅんに低下ていかしていくと考かんがえている」

「目標もくひょうの2％を持続じぞく的てきに安定あんてい的てきに達成たっせいするためにはなお時間じかんを要ようすると考かんがえている」

3：2％の物価ぶっか目標もくひょうを盛り込もりこんだ共同きょうどう声明せいめいを見直みなおすか

2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうの早期そうき実現じつげんを目指めざすとしている政府せいふ・日銀にちぎんの共同きょうどう声明せいめいについては、直ただちに見直みなおす必要ひつようはないという考かんがえを示しめしました。

「2013年ねん以降いこう、政府せいふと日本にっぽん銀行ぎんこうがそれに沿そって必要ひつような政策せいさくを実施じっしし、わが国わがくに経済けいざいは着実ちゃくじつに改善かいぜんし、その中なかで賃金ちんぎんも上昇じょうしょう、物価ぶっかも持続じぞく的てきに下落げらくするという意味いみでのデフレではなくなってきている。こういう意味いみで、政府せいふと日本にっぽん銀行ぎんこうの政策せいさく連携れんけいが着実ちゃくじつに成果せいかをあげてきたものと見みている。したがって直ただちに見直みなおすという必要ひつようがあるというふうには今いまのところ考かんがえていない」

4：“イールドカーブコントロール”の修正しゅうせいは

長期ちょうき金利きんりと短期たんき金利きんりに操作そうさ目標もくひょうを設もうけて金融きんゆう緩和かんわ策さくを行おこなう今いまの枠組わくぐみ「イールドカーブコントロール」については、今後こんご、修正しゅうせいの可能かのう性せいもあるという考かんがえを示唆しさしました。

「日銀にちぎんは去年きょねん12月つき以降いこう、副作用ふくさようをなるべく緩和かんわする意図いとのもと、さまざまな措置そちを採用さいようし、現在げんざいはその効果こうかを見守みまもっている段階だんかいだと私わたしは考かんがえている。具体ぐたい的てきなオプションの是非ぜひについて申し上もうしあげることは、現時点げんじてんでは控ひかえたいが、時間じかんをかけて議論ぎろんを重かさね、望のぞましい姿すがたを決きめていきたい」

5：ETF＝上場じょうじょう投資とうし信託しんたくをどう扱あつかうか

大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ策さくで大量たいりょうに買い入かいいれた複数ふくすうの株式かぶしきを集あつめてつくるETF＝上場じょうじょう投資とうし信託しんたくをどう扱あつかうかという問題もんだいについては、大おおきな問題もんだいだとしながらも現時点げんじてんで具体ぐたい的てきな対応たいおうを示しめすのは時期じき尚早しょうそうだという考かんがえを示しめしました。

「大量たいりょうに買かったものを今後こんごどうしていくかは大おおきな問題もんだいで、出口いでぐちが近ちかづいてくる場合ばあいには、具体ぐたい的てきに考かんがえないといけない。ただ現在げんざいは具体ぐたい的てきに言及げんきゅうするのはまだ時期じき尚早しょうそうと考かんがえている」と述のべるにとどめました。

6：出口いでぐち戦略せんりゃくの時期じきや手法しゅほうは

金融きんゆう緩和かんわを縮小しゅくしょうするいわゆる出口でぐち戦略せんりゃくについて問とわれたのに対にたいしては、具体ぐたい的てきなタイミングや方法ほうほうについての言及げんきゅうを避さけました。

「基調きちょう的てきなインフレ率りつが2％に達たっすることが見込みこまれる状態じょうたいになったときには、現在げんざい採用さいようしているさまざまな強つよい金融きんゆう緩和かんわの措置そちを平時へいじの姿すがたに戻もどしていくということになる。それが具体ぐたい的てきに何なにを意味いみするか、どういうタイミングで、どういう順序じゅんじょで正常せいじょう化かしていくかという点てんについては現時点げんじてんでは具体ぐたい的てきにお答おこたえするのを差し控さしひかえさせていただきたい」

7：市場しじょうとの対話たいわは

金融きんゆう市場しじょうとの対話たいわは極きわめて重要じゅうようだとした上うえで市場しじょうにとっての“サプライズ”は最小さいしょう限げんに抑おさえたいという考かんがえを示しめしました。

「市場しじょうとの対話たいわは極きわめて大事だいじだと考かんがえている。経済けいざい、金融きんゆう情勢じょうせいに関にかんする中央ちゅうおう銀行ぎんこうの見方みかたあるいは政策せいさく運営うんえいについて分わかりやすく情報じょうほう発信はっしんをしていくということが極きわめて重要じゅうようであると考かんがえている」