アメリカの
トランプ大統領は、
公約に
掲げる国境沿いの
壁を
大統領の
権限で
建設するため「
非常事態」を
宣言するという
強硬手段に
出ました。
しかし、
野党・
民主党は、
憲法違反だとして
法的手段で
対抗する
構えを
早くも
見せており、
法廷闘争と
なることは
避けられない
見通しです。
トランプ大統領は15
日、
日本時間の16
日、ホワイトハウスで
演説し、「
国境の
安全保障上の
危機に
立ち向かう」として、メキシコとの
国境沿いの
壁を
大統領の
権限で
建設するため「
非常事態」を
宣言しました。
国境の壁をめぐって、与野党は、トランプ大統領が要求した57億ドルの4分の1以下の13億ドル余りを柵の建設費として組み込むことで合意し、予算案を可決しましたが、トランプ大統領は不満を示していました。
一方で、トランプ大統領としては、予算案への署名を拒んで再び政府機関が閉鎖される事態になれば、みずからが批判の矢面に立たされかねないことから、予算案に署名したうえで、非常事態宣言によってさらなる建設費を捻出するという強硬手段をとりました。
ホワイトハウスは、国防予算などを転用することで総額80億ドルの建設費を確保できるとしています。
これに野党・民主党は即座に反発し、上院トップのシューマー院内総務とペロシ下院議長は声明を出して「存在もしない危機に対する大統領の宣言は憲法違反で、アメリカを一層危険にさらしている」として、法的手段で対抗する構えを見せました。
さらに、民主党の地盤の西部カリフォルニア州や東部ニューヨーク州でも違憲訴訟に向けた動きが早くも出ていて、法廷闘争となることは避けられない見通しで、トランプ大統領の政権運営の先行きは一層、不透明となっています。