7日午前9時ごろ、青森市大矢沢里見の香取神社で鳥居の一部が8メートルの高さから地面に落下しました。
落下したのは鳥居の上の部分で、神社では当時、お札やしめ縄を燃やして無病息災などを願う「どんと祭」という祭りが行われていましたが、けが人はいないということです。
神社によりますと鳥居は35年ほど前に建てられ、これまでひび割れなどは確認されていなかったということです。
落下した時雪は降っていませんでしたが、年末年始以降、鳥居の上には雪が積もっていたということで、神社の関係者は「雪の重みで落下したのではないか」と話しています。
青森 弘前 雪の重みでりんごの枝や幹折れる被害
りんごの生産量が日本一の弘前市では、降り積もった雪の重みでりんごの木の枝や幹が折れる被害が相次いでいます。
このうち弘前市悪戸の成田和男さんのりんご園では、雪が1メートル以上積もり、中に入ってりんごの木の様子を細かく確認することや、木の雪下ろしをすることが難しい状態となっています。
成田さんはかろうじて除雪ができた農道から園地の中の様子をみて複数のりんごの木の枝や幹が折れているのを確認していました。
成田さんは「自然の力には勝てないし、こんなに雪が積もっていたら園地の中にも入れないのでどうしようもありません。行政には少しでも除雪を進めてほしいです」と話していました。
青森 弘前 りんご農家が対策本部 12年ぶり
りんご農家などで作る弘前市の「青森県りんご協会」は年末年始の大雪を受けて8日、2013年以来、12年ぶりに豪雪対策本部を設置し、内山国仁会長が記者会見を開きました。
この中では津軽地方の生産者から、雪の重みでりんごの枝が折れたり、幹が割れたりする被害が数十件寄せられているものの、積雪で園地に入れない所も多く全容は把握できていないなどと説明されました。
その上で場所によってはりんごの木に1メートルほど雪が積もっているところもあるため、雪害を最小限に抑えるために雪下ろしを徹底するよう生産者に呼びかけました。
さらに行政に対しては生活道路だけでなく農道の除雪も進め、生産者が園地に入れない状況を解消できるよう求めました。
県りんご協会の内山会長は「例年にない規模の積雪だ。生活を守るためにできるだけ早くりんご農家が園地をみられる状況にしてほしい」と話していました。
磐越道 一部区間で「予防的通行止め」
東日本高速道路は福島県と新潟県を結ぶ磐越自動車道の一部の区間で、8日午後7時ごろから「予防的通行止め」を行うと発表しました。
「予防的通行止め」が行われるのは、福島県郡山市の磐梯熱海インターチェンジと新潟県阿賀野市の安田インターチェンジの間の上下線で、9日の日中までを予定しているということです。
東日本高速道路は気象状況などによっては通行止めの区間が増える可能性があるとして、ホームページなどで最新の情報を確認してほしいと呼びかけています。
JR貨物 一部区間で運休続く
JR貨物によりますと、大雪の影響で、6日から青森県内の区間を中心に運転できなくなり、北海道と本州を結ぶ貨物列車が運休となっていました。
太平洋側の北海道と関東を結ぶ路線は、8日朝までに除雪作業が終わったため、すべての区間で運転を再開しています。
一方、日本海側の青森県と秋田県を結ぶ路線は、現在も雪の影響で運転できない状態が続いています。
会社では、今月11日の運転再開を見込んでいるということです。
宅配便の配達にも遅れ
大雪の影響で、青森県を中心に宅配便の配達に遅れが出ています。
このうちヤマト運輸では、青森県内の青森市や弘前市など一部の地域向けの荷物の配達に遅れが出ているということです。
また青森市の一部の地域向けの荷物については、配達を停止しているということです。
会社では、今後の天候によっては、北海道や青森県内のほかの地域向けの荷物の配達にも遅れが出るおそれがあるとしています。
また佐川急便は、北海道の全域と、青森県内の青森市や弘前市など一部の地域向けの荷物の配達に遅れが出ているということです。
北海道岩見沢 市職員が高齢者など見回り
平年を上回る積雪が続く北海道岩見沢市では、市の職員が高齢者などの住宅を回り、落雪の危険がないか確認しています。
岩見沢市では、8日正午の積雪が1メートル14センチと平年の1.7倍になっています。
市は今週に入って一時的に寒さがゆるみ、屋根からの落雪が懸念されるとして、8日から1人暮らしの高齢者や障害がある人などの住宅およそ2500世帯を巡回して、安全確認をしています。
市がこうした活動を行うのは今シーズン2回目で、職員たちは屋根から雪がせり出す雪ぴができていないかや、暖房の排気口が落雪で埋まっていないかなどを確認していました。
中には、屋根から雪が1メートルほど垂れ下がっている住宅もあり、市は住民からの希望があれば除雪業者の紹介などを行うことにしています。
80代の女性は「頑張って雪かきをしていますが、自分だけでは気が付かない所もあり、見回ってくれて安心します」と話していました。
岩見沢市庶務課の尾坂繁樹主幹は「住民の安全を第一として活動しています。雪に関して困ったことがあれば、気軽に相談してほしいです」と話していました。
東海地方の高速道路でも備え
おととしから去年にかけて、東海地方の高速道路で大雪による立往生が相次いだことから、道路の管理会社は対策を強化しています。
おととし1月、大雪により三重県から滋賀県にかけての新名神高速道路で、60キロを超える車両の立往生が起きたほか、去年1月には岐阜県の名神高速道路・関ヶ原インターチェンジ付近でも立往生が発生しました。
東海地方や北陸地方の高速道路を管理する「中日本高速道路」は、これまで主に北陸地方の道路で大雪対策をとってきましたが、相次ぐ立往生を受けて東海地方でも備えを進めています。
このうち岐阜県の大垣インターチェンジ付近には、通行止めにした道路に車両が入ることを防ぎ、高速道路から下りるよう促すため、遠隔操作ができる遮断機を設置しました。また例年雪の量が多い関ケ原付近の路面には、凍結防止剤の効果が高まるような舗装を行ったということです。
中日本高速道路はドライバーに対し、冬用タイヤといった装備を整えることや、最新の気象情報や交通情報を確認するよう呼びかけています。
そのうえで荷物を発送する企業に対し、大雪が予想される際には、ドライバーの命や大切な荷物を守るためにも、運行中止も含めて検討してほしいとしています。
愛媛 冬用タイヤに交換する人も
10日にかけて大雪になるおそれがある愛媛県では、自動車用品店には冬用のタイヤに交換する人が訪れています。
このうち、砥部町にある自動車用品店には午前中からタイヤの交換に訪れる人の姿がみられました。
店に隣接する作業場では、従業員が工具を使って車のタイヤを外し、1台、30分ほどかけて冬用のタイヤに交換していました。
店によりますと、12月から冬用のタイヤを購入する人が増えていて、ことしに入って7日までの販売数は去年の同じ時期と比べて23%増加しているということです。
店内には、タイヤのチェーンなど雪対策の商品を集めたコーナーも設けられているということです。
タイヤの交換に訪れた松山市の40代の女性は「仕事やそれ以外でも車を使うので、滑ったり事故を起こしたりするのが怖くて交換に来ました」と話していました。
自動車用品店の稲田貴之フロア長は「雪が降ってからでは遅いので、余裕を持って早めに交換してほしい」と話していました。
政府 情報連絡室を設置
政府は8日午後2時35分、総理大臣官邸の危機管理センターに「情報連絡室」を設置し、情報収集と警戒にあたっています。