ツイートでは「先生が『皆さんの中で飲んでる人はいないと思うけど』と言っていて悲しくなりました」「ピルは『避妊』目的だけじゃありません。教師が進んで生理がつらい女の子の肩身を狭めないで」などとつづっていて、ピルが生理の痛みを和らげるために使われていることを多くの人に知ってほしいと訴えています。
ツイートには大きは反響があり、「避妊目的以外の用途があると初めて知った」「大人たちにも知識のアップデートをしてほしい」「本当にいろんな理由でピルを服用するということが広まればいいのに」といった声が次々と上がっていて、低用量ピルの効果がまだ十分に知られてなく、体だけでなく心の面でもつらさを感じている女性がたくさんいることがうかがえました。
聖路加国際病院の女性総合診療部の百枝幹雄部長は「女性の生活を改善するために有効な薬だが、多くの人が避妊目的だけだと誤解している。最初は患者も親も抵抗があり、誤解されたくなくて周りの人に言えないという人も多い。生理痛は病気になり始めている可能性があり、低用量ピルはその予防にもつながる。痛みがあれば、恥ずかしがらず産婦人科に来てほしい」と話しています。
誤解を受けた体験者は
酒井未来さん(22)は反響を呼んだツイートに「私も高校生の時にピルを服用していた」とリツイートしました。
16歳のころから授業を受けるにもつらいくらい生理痛がひどくなり、「当時は痛すぎて立っていられずあぶら汗もかいているという状況だった。授業を受けることも苦しく学校に行きたくないなという感じにもなった」と話しています。
そして子宮内膜症と診断され、低用量のピルを処方されました。
すると、痛みもなくなり、生理前に気分が落ち込むことも改善されたと言います。
酒井さんは「生理痛がひどいときも周囲の人から、ピルなんて飲むもんじゃないとか、ある医師からは生理痛なんだからがまんしなよと言われたこともあって傷ついた。ただ私も当時はピルは避妊のためだけじゃないとしっかり伝える勇気がなかった」と話しています。
そして「学校などでピルのさまざまな効果を教えてくれるようになれば、生理に苦しむ女性も誤解を受ける女性も減ってくると思う。女性だけでなく男性にもピルについての知識を持って誤解をなくしてほしい」と話しています。
授業で取り上げる学校も
ピルのさまざまな効果について授業で取り上げている学校も出てきました。
埼玉県立春日部女子高校で保健体育を担当している大久恵利教諭は授業の中で、低用量のピルは生理の痛みを和らげたり生理の周期をコントロールできたりすることを伝えています。
また、スポーツの試合や旅行が生理と重ならないように調整するときに使用することも取り上げていて、避妊のためでなく女性が生活しやすくなるために使われる薬だということを授業の中で強調していました。
授業を受けた生徒は「知らなかったことばかりで、ピルにはいろんな使い方があることが初めて分かりました」「生理が本当につらかったら、きちんと産婦人科に行かなければと思いました。ピルについての偏見がだんだんと減っていけばいいなと感じています」などと話していました。