経営再建中の
自動車部品メーカー「
曙ブレーキ工業」は、
抜本的な
再建に
向けて
東京の
企業再生ファンドから200
億円の
出資を
受けることを
正式に
発表し、
今後、
立て直しを
急ぐことにしています。
発表によりますと、
曙ブレーキ工業は
東京の
企業再生ファンド「ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ」から、200
億円の
出資を
受けることで
合意しました。
ことし9月に臨時の株主総会を開いて承認を得たうえで、年内に資金を受けるということです。
曙ブレーキは、主な取引先だったアメリカのメーカーからの受注が減ったことで業績が悪化し、事業再生ADRと呼ばれる制度を利用して一緒に再建にあたる出資者を募っていました。
今後、社外取締役として最大2人の派遣を受け入れるなどファンドの支援を得ながら、欧米にある工場の縮小や本社の管理部門の見直しなど、事業の立て直しを急ぐことにしています。
また、会社は再建の重荷となっていた1000億円余りに上る借入金についても、主力取引銀行に対して大幅な削減を求めたい考えで、来週にも銀行などを集めた会議を開き、詰めの協議を行うことにしています。
これとは別に曙ブレーキは、自動車メーカーに納入した部品の一部に不具合が見つかり、回収や修理に必要な費用として、ことし6月までの3か月間の決算で78億円の特別損失を計上することも発表しました。
アメリカ事業不振で財務状況厳しく
「曙ブレーキ工業」は、東京 中央区にグループの本社機能を持つ大手の自動車部品メーカーです。
世界11か国に32の生産や研究開発の拠点があり、従業員はグループ全体でおよそ8700人に上ります。
トヨタ自動車が筆頭株主になっているほか、日産自動車やアメリカのGM=ゼネラル・モーターズなど、国内外の大手自動車メーカーと取り引きがあります。
昨年度の売り上げはグループ全体で2400億円余りで、会社によりますと、主力のブレーキパッドと呼ばれるブレーキの主要部品では、世界でおよそ16%のシェアを占めているということです。
しかし、ここ数年は主にアメリカでの事業の不振で厳しい財務状況に陥っていました。