南シナ海でフィリピン
軍と
中国海警局の
船が
衝突し、フィリピンの
兵士が
大けがをする
など緊張が
高まる中、フィリピン
政府は、
軍の
補給活動の
予定を
公表する
新たな
方針を
発表しました。
これは
中国の
要求を
受け入れた
形で、フィリピン
側として
事態を
打開したいという
姿勢を
示したものと
受け止められています。
フィリピンが南シナ海で実効支配するセカンド・トーマス礁の海域では、今月17日、フィリピン軍の船が軍の拠点へ補給活動を行った際、中国側に妨害を受けて海警局の船と衝突し兵士1人が大けがをしました。
中国側は違法な運搬を取り締まったなどと主張し非難の応酬となり、フィリピンと中国の緊張が一段と高まっています。
中国側は、事前に通告を受ければ水や食料などの補給にかぎり輸送を許可するなどと主張しています。
フィリピンのベルサミン官房長官は21日に会見を開き、今後、軍の補給活動の予定を公表するという新たな方針を発表しました。
この方針は中国の要求を受け入れた形で、ベルサミン官房長官は「公表することはすべての関係者の利益を考慮する賢明な決定だ」と述べました。
さらに17日の衝突のときに、中国側がフィリピン軍の船を壊したり兵士にけがを負わせたりしましたが、ベルサミン官房長官は「誤解か事故で起きたものだろう」と述べ、アメリカに条約に基づいて軍事的な対応を求める議論は行っていないことを明らかにしました。
そして中国と協力する考えも示し、フィリピン側として事態を打開したいという姿勢を示したものと受け止められています。