アメリカで、20
年余り前の
同時多発テロ
事件の
主犯格とされる
被告らが
司法取引の
成立によって
死刑を
免れると
伝えられる
中、
国防総省は、オースティン
長官が
これを
破棄したと
発表しました。
その理由は、
明らかにされていませんが、
遺族の
一部などから
反発が
上がっていることを
指摘する
見方が
出ています。
2001年9月11日の同時多発テロ事件をめぐって、アメリカ国防総省は7月31日、テロを計画した主犯格とされるハリド・シェイク・ムハンマド被告ら3人と司法取引が成立したと発表しました。
アメリカメディアは3人が、2976人を殺害した罪などを認める代わりに、死刑を免れて終身刑となる見通しになったと伝えていました。
ところが国防総省は2日、オースティン国防長官がこの司法取引を破棄したと発表しました。
その理由は、明らかにされていませんが、オースティン長官は担当者に送った書面の中で、「重大性にかんがみて、このような決定の責任は、私にある」として、今後、事件を担当する特別軍事法廷の責任者ではなく、みずからが判断を下すとしています。
アメリカでは、司法取引で被告らが死刑を免れることに対し遺族や議員の一部から強い反発の声が上がっており、今回の発表の背景と指摘する見方が出ています。
3人の審理は、キューバにあるアメリカ軍のグアンタナモ基地に設置された特別軍事法廷で行われることになっていますが、司法取引が破棄されたことで、裁判の進行がさらに遅れる可能性があるとアメリカのメディアは伝えています。