Japanese News: フードバンクの6割以上で寄付減少 “危機的状況”支援呼びかけ

夏休なつやすみで給食きゅうしょくがなくなる時期じきに入はいる中なか、生活せいかつに困こまっている世帯せたいに無償むしょうで食料しょくりょう品ひんを提供ていきょうするフードバンクを対象たいしょうに行おこなわれた調査ちょうさで、全体ぜんたいの6割わり以上いじょうの団体だんたいが「寄付きふが減少げんしょうしている」と答こたえたことが分わかりました。調査ちょうさした団体だんたいは、フードバンクの活動かつどうが危機きき的てきな状況じょうきょうにあるとして、支援しえんを呼よびかけています。

“食料しょくりょう提供ていきょうに支障ししょう” 8割わり以上いじょうの団体だんたい

調査ちょうさを行おこなったのはNPO法人ほうじんフードバンク仙台せんだいで、全国ぜんこく各地かくちで活動かつどうを行おこなうフードバンクを対象たいしょうに、7月つきにインターネットでアンケート調査ちょうさを行おこない、66の団体だんたいから回答かいとうを得えました。

その結果けっか、食料しょくりょう品ひんの寄付きふの量りょうが、「大おおいに減少げんしょうした」または「減少げんしょうした」と答こたえた団体だんたいが、全体ぜんたいの6割わりを超こえたことがわかりました。

また、月つきごとの寄付きふの量りょうの回答かいとうがあった37団体だんたいが、ことし4月つきから6月つきに受うけた寄付きふの量りょうを去年きょねんの同おなじ月つきと比くらべると、

▽ことし4月つきは212トンあまりで去年きょねんの89％、

▽5月つきは168トンあまりで去年きょねんの83％、

▽6月つきは192トンあまりで去年きょねんの62％に、それぞれ寄付きふの量りょうが減少げんしょうしていました。

寄付きふの減少げんしょうで、「食料しょくりょう提供ていきょう活動かつどうに支障ししょうが出でている」と答こたえたフードバンクは8割わり以上いじょうにのぼりました。

また、米べいの寄付きふについて尋たずねたところ、「大おおいに減少げんしょうした」と「減少げんしょうした」と答こたえた団体だんたいが全体ぜんたいの68％にのぼりました。

寄付きふの減少げんしょうを受うけて、各地かくちの団体だんたいでは、渡わたす食料しょくりょう品ひんの量りょうや種類しゅるいを減へらしたり、渡わたす人数にんずうや支援しえん先さきをこれまでよりも減へらすなどの対応たいおうをとっているということで、長ながびく物価ぶっか高だかで支援しえんが必要ひつような家庭かていが増ふえる一方いっぽう、寄付きふが減へって支援しえん活動かつどうに制約せいやくが出でている実態じったいがわかったということです。

調査ちょうさを行おこなったフードバンク仙台せんだいの川久保かわくぼ尭たかし弘ひろしさんは、「寄付きふがここまで減へってくると、食料しょくりょう支援しえんの現場げんばが成り立なりたたなくなるかもしれないという危機きき感かんがある。これまで支援しえんしてきた生活せいかつ困窮こんきゅう者しゃの方ほうに加くわえて、夏休なつやすみで子育こそだて世代せだいからの支援しえん依頼いらいが非常ひじょうに増ふえているので、ぜひ食品しょくひんの寄付きふをお願おねがいしたい」と話はなしていました。

去年きょねんより4割わり減へらして配布はいふチラシなどで寄付きふ呼よびかけ

東京とうきょう・狛江こまえ市しで活動かつどうしているフードバンク狛江こまえでは、寄付きふが減へったため、支援しえん先さきの家庭かていに配くばる食料しょくりょう品ひんの量りょうを去年きょねんより4割わりほど減へらす対応たいおうを取とらざるを得えないということです。

フードバンク狛江こまえによりますと、6月つきまでの3か月かげつに家庭かていや企業きぎょうなどから寄付きふを受うけた食品しょくひんは、およそ3900キロで、去年きょねんの同おなじ時期じきよりおよそ1200キロ、率りつにして23.5％減へりました。

フードバンクの倉庫そうこに保管ほかんされた食料しょくりょう品ひんの在庫ざいこ量りょうは、去年きょねんの同おなじ時期じきと比くらべると7割わり程度ていどと大幅おおはばに少すくなくなっています。

物価ぶっか高騰こうとうで、家庭かていで食品しょくひんの買い控かいびかえが起おきたことや、企業きぎょうのフードロス対策たいさくが進すすみ、余剰よじょう在庫ざいこが少すくなくなったことで、これまで寄付きふに回まわっていた食料しょくりょう品ひんが減へったことなどが要因よういんとみているということです。

毎年まいとし、学校がっこう給食きゅうしょくがなくなる夏休なつやすみのこの時期じきには、生活せいかつが苦くるしい子育こそだて世帯せたいに向むけて、米べいやレトルト食品しょくひんなどを配くばっていますが、ことしは1世帯せたいあたり10キロの配布はいふで、去年きょねんより4割わりほど少すくない量りょうしか配布はいふできない状況じょうきょうになっています。

フードバンク狛江こまえでは、およそ4000枚まいのチラシを作つくって地域ちいきに配くばったり、市役所しやくしょなどに掲示けいじしたりしているほか、SNSでも寄付きふを呼よびかけています。

フードバンク狛江こまえの山形やまがた美樹みき理事りじは、「給食きゅうしょくがなくなる夏休なつやすみは、支援しえんが必要ひつような家庭かていが多おおいので、毎年まいとし支援しえんをしているが、ことしは提供ていきょうできる量りょうが少すくなく申し訳もうしわけない気持きもちです。全国ぜんこくのどこの町まちでも困こまっている人ひとが大勢たいせいいるので支援しえんをお願おねがいしたいです」と話はなしてました。

じゃがいもなど野菜やさいを育そだてて減少げんしょう補おぎなう

「フードバンク仙台せんだい」は、寄付きふされる食料しょくりょう品ひんの減少げんしょうを補おぎなおうと、農地のうちを借かりて野菜やさいを育そだてて配布はいふしています。

フードバンク仙台せんだいでは、まだ食たべられるのに処分しょぶんされるおそれのある米べいやレトルト食品しょくひんなどの食料しょくりょう品ひんの寄付きふを受うけて、仙台せんだい市内しないの生活せいかつに困こまっている世帯せたい向むけに食料しょくりょう支援しえんとして提供ていきょうする活動かつどうを行おこなっています。

昨年度さくねんどはのべ2861世帯せたいの4515人にんに対にたいして、それぞれ1週間しゅうかん分ぶんの食料しょくりょう品ひんを提供ていきょうしたということです。

しかし、物価ぶっか高だかの影響えいきょうなどで、食料しょくりょう品ひんの寄付きふが減へっていて、夏休なつやすみで給食きゅうしょくがなくニーズが高たかまる時期じきにもかかわらず、7月つき21日にち時点じてんで、米べいの在庫ざいこは残のこり1か月かげつ分ぶんを割り込わりこんでいるということです。

去年きょねんの春はるからは、寄付きふの減少げんしょうを補おぎなうために農地のうちを借かりて野菜やさいを育そだてていて、収穫しゅうかくしたじゃがいもやたまねぎを困窮こんきゅう世帯せたいなどに配布はいふしています。

21日にちも、育そだったじゃがいもを収穫しゅうかくし、すでに各かく家庭かていに配布はいふしたということです。

フードバンク仙台せんだいの川久保かわくぼ尭たかし弘ひろしさんは、「生活せいかつに困窮こんきゅうされている方ほうの中なかには、1週間しゅうかん食事しょくじをとれていないなど、健康けんこうを害がいしてしまうような人ひともいます。なるべく多おおくの人ひとに栄養えいようのある野菜やさいなどもとってもらいたく、量りょうの減少げんしょうを補おぎない質しつを向上こうじょうさせるために、野菜やさいを作つくり始はじめています」と話はなしていました。

支援しえん受うける家庭かてい給食きゅうしょくない夏休なつやすみの食費しょくひに不安ふあんの声こえ

フードバンクから食料しょくりょう品ひんの支援しえんを受うけている家庭かていからは、給食きゅうしょくのない夏休なつやすみ期間きかんの食費しょくひがどれだけ増ふえるのか、不安ふあんに思おもう声こえが上あがっています。

都内とないの40代だいのシングルマザーの女性じょせいは、小学生しょうがくせいと保育園ほいくえん児じの2人にんの子こどもを育そだてています。

現在げんざいは資格しかくを取とるために学校がっこうに通かよっていて、節約せつやくをしながら生活せいかつをしていますが、物価ぶっか高だかを受うけた食品しょくひんの値上ねあげが家計かけいに響ひびいています。

ことしから小学校しょうがっこうに入学にゅうがくした子こどもは夏休なつやすみに入はいり、放課後ほうかご児童じどうクラブに通かようため、昼食ちゅうしょくはお弁当べんとうを持もたせているということで、女性じょせいは「給食きゅうしょくがない期間きかんが1か月かげつ続つづくことで、食費しょくひがどれだけ増ふえるのか不安ふあんがあります」と話はなしていました。

フードバンクからの支援しえんについては、「子こどもたちも話はなしをしてもらったり、お菓子おかしをいただいたり、親身しんみに支援しえんしてもらってありがたいです。提供ていきょうされる食料しょくりょう品ひんが少すくなくなったとしても、今後こんごも支援しえんを継続けいぞくしてもらえれば」と話はなしていました。

支援しえんを希望きぼうする場合ばあいの窓口まどぐちは

こども家庭かてい庁ちょうによりますと、生活せいかつに困窮こんきゅうする子育こそだて家庭かていへの食事しょくじ支援しえんなどを行おこなっているNPOや団体だんたいはさまざまあり、全国ぜんこく的てきに活動かつどうをしている団体だんたいだけでなく、地域ちいきに根ねざした取り組とりくみを行おこなっている団体だんたいもあるということです。