アメリカ南部ルイジアナ州のニューオーリンズで1日の午前3時すぎ、新年を祝うため中心部の通りに集まっていた人たちに車が突っ込み、FBIによりますと、少なくとも10人が死亡し、数十人がけがをしました。
事件があったニューオーリンズを管轄する日本総領事館によりますと、現時点で日本人が事件に巻き込まれたという情報は入っていないということです。
FBIの発表によりますと、車を運転していたのは南部・テキサス州出身のシャムスド・ディン・ジャバール容疑者(42)で、警察官との銃撃戦のあと、現場で死亡したということです。
犯行に使われた車や現場付近からは複数の爆発物のようなものも見つかったということで、FBIはテロ事件として捜査しています。
また、車には過激派組織IS=イスラミックステートの旗が掲げられていたということで、組織との関係についても捜査しているということです。
現場は観光客が多く訪れる「フレンチクオーター」というエリアで、大晦日の夜には警察官など300人が配備されていたということです。
バイデン大統領 “いかなる暴力も正当化できない”
アメリカ・ホワイトハウスは1日、南部の都市、ニューオーリンズで起きた事件について、バイデン大統領の声明を発表しました。
バイデン大統領は「けさ早くから、国土安全保障チームなどから継続的に報告を受けている。私の心は犠牲者とその家族とともにある。いかなる暴力も正当化できず、コミュニティーに対するいかなる攻撃も容認することはできない」として、事件を強く批判しています。
トランプ次期大統領 “ニューオーリンズを全面的に支援”
アメリカのトランプ次期大統領は1日、南部の都市、ニューオーリンズで起きた事件について声明をSNSに投稿しました。
トランプ氏は「アメリカの犯罪率はかつてないレベルにある。私たちの心は罪のない犠牲者と、その愛する人たちとともにある。トランプ政権は、ニューオーリンズがこの悪意に満ちた行為を調査し、事件から立ち直ることを全面的に支援する」として、今月20日の大統領就任以降、政権として事件の現場となったニューオーリンズを支援する考えを示しました。
アメフト大学対抗戦「シュガーボウル」翌日に延期
ニューオーリンズでは事件を受けて、1日に予定されていたアメリカンフットボールの大学対抗戦「シュガーボウル」が翌日に延期されることになりました。
シュガーボウルは全米一の大学を決めるプレーオフ・トーナメントの準々決勝にあたる伝統の試合で、毎年1月1日にニューオーリンズのスーパードームで行われてきました。