先月独裁的な
政権が
崩壊したシリアにEU=
ヨーロッパ連合を
代表してドイツとフランスの
外相が
訪問し、
暫定政権に対して民主的な
国づくりを
進めることが
支援の
前提に
なるとの
考えを
示しました。
シリアでは、独裁的なアサド政権が崩壊し、シリア解放機構が主導する暫定政権のもとで新たな国づくりが進められています。
こうした中、3日、EUを代表してドイツのベアボック外相とフランスのバロ外相がそろって現地を訪れ、シリア解放機構のシャラア指導者と会談しました。
会談のあと会見したベアボック外相は「すべての人が自由と安全を感じられる未来のためあらゆることをする」と述べ、支援を行う用意があると強調しました。
その上で、少数派や女性の権利を尊重した民主的な国づくりを進めることが欧米が旧政権に科してきた経済制裁の解除や支援の前提になるとの考えを示しました。
EUとしては、中東の緊張の高まりを回避し、アサド政権の後ろ盾となっていたロシアの影響力を排除するため、暫定政権と関係を築きたい思惑もあるとみられます。
一方、シリアの情報を集めるシリア人権監視団などによりますと、北部では隣国トルコが支援する武装勢力とクルド人勢力の衝突が止まらず、これまでに民間人を含め208人が死亡し、不安定な状況となっています。
外交の動きが進む一方で暫定政権が国内の安定をはかれるかどうかは依然として不透明な状況です。