旧ソビエトのモルドバへの供給が停止され、ロシアの強い影響下にある沿ドニエストル地方で発電用のガスが不足する事態となり、計画停電が始まっています。
ロシアの政府系ガス会社「ガスプロム」は、ウクライナ経由でのヨーロッパ向けの天然ガスの輸出を今月1日から停止しています。
ウクライナが、侵攻を続けるロシアの収入源を減らす必要があるとして、去年末で切れる契約の更新を拒否したためです。
契約終了にあわせてロシアは、これまでの支払いが滞っているとして、ウクライナ経由となるモルドバへの天然ガスの供給を今月から停止しました。
その結果、モルドバから一方的な分離独立を宣言し、ロシアの強い影響下にあるにもかかわらず、沿ドニエストル地方では発電用のガスが不足する事態となり、当局とする組織は4日、1日3時間の計画停電を行うと発表しました。
ロイター通信によりますと、現地では集中暖房や給湯が停止しているほか、食品を製造する施設以外の工場の稼働が止まっているということです。
これまでロシアからモルドバに供給された天然ガスは、主に沿ドニエストル地方にある発電所で使われていました。
一方、モルドバ政府はルーマニアからのガスの供給などによって、沿ドニエストル地方以外の国内のエネルギーはまかなえているとしています。
ロシアとウクライナの対立は、天然ガスの供給停止を通じてヨーロッパにさまざまな混乱をもたらしています。