ある未確認の火山が1831年に大規模噴火し、地球の気候を寒冷化させました。それから200年近くを経て、科学者たちはこの「謎の火山」を特定するに至りました。
当該の噴火は19世紀に発生したものとしては最も強力な部類に入ります。二酸化硫黄が成層圏に大量に放出された結果、北半球の年間平均気温は約1度低下しました。噴火の発生は小氷河期の末期に当たります。小氷河期は過去1万年で地球が最も寒冷化した時期の一つとされます。
この歴史的な噴火が起きた年は判明していましたが、火山の地点は分かっていませんでした。研究者らは最近、グリーンランドの氷床コアのサンプルを通じてこの謎を解明。コアの層を分析し、1831~34年に堆積した硫黄同位体や灰の粒、火山ガラスの破片を検証しました。