アメリカのトランプ次期大統領は、デンマークの自治領グリーンランドについて、1期目の政権時に買収に関心を持っていることを明らかにしていましたが、先月、改めてアメリカが所有すべきだと主張しました。
トランプ氏は7日の記者会見で、グリーンランドの周辺で中国やロシアが活動を活発化させているという認識を示し「国家の安全保障上、必要だ」と述べて、アメリカによる所有の必要性を強調しました。
その上で、デンマークに対し「彼らが法的な権利を持っていても自由な世界の安全保障のため放棄すべきだ」として、抵抗するのであれば輸入製品に高い関税を課す可能性に言及しました。
また、今回の会見でトランプ氏はパナマ政府に対して返還を求めると主張しているパナマ運河についても記者団から「軍事力や経済的な圧力を使って獲得を目指さないと確約できるか」と問われたのに対し「保証できない」と答えて否定せず、圧力を強める姿勢を鮮明にしました。
デンマーク首相「グリーンランドは売り物ではない」
デンマークのフレデリクセン首相は7日、トランプ氏の会見に先立ち地元メディアのインタビューで「アメリカはわれわれの最も緊密な同盟国であり防衛と安全保障のあらゆる問題で緊密に協力したい」としながらも「グリーンランドの住民を尊重してほしい。自治政府の首相がすでに言ったとおり、グリーンランドは売り物ではない」と強調しました。
こうした中、同じ7日にはトランプ氏の長男、トランプ・ジュニア氏がグリーンランドを訪れました。
観光目的で日帰りの訪問だということですが、父親が所有するプライベートジェットで中心都市ヌークの空港に到着すると、トランプ氏のスローガンの「アメリカを再び偉大に」と書かれた赤い帽子をかぶった人などの歓迎を受けました。
ジュニア氏は報道陣に「来ることができてとても興奮している。父とはきのう話したが、グリーンランドの皆さんによろしくと言っていた」と笑顔で話しました。