東京 北区に
ある「
赤羽八幡神社」の60
代の
宮司が
神社の
収入の
一部を
私的流用する
などしていたとして、
東京国税局が
神社を
運営する
宗教法人と
宮司に対し、
およそ2
億5000
万円の
所得隠しを
指摘していたことが
関係者への
取材で
分かりました。
東京国税局から所得隠しを指摘されたのは、1200年を超える歴史があるとされる東京 北区の「赤羽八幡神社」を運営する宗教法人「八幡神社」と代表役員を務める60代の男性宮司です。
関係者によりますと、この神社が販売するお守りなどの模様が、人気アイドルグループを連想させるとしてファンからは「聖地」と呼ばれ多額の法人収入がありましたが、宮司は収入の一部を自身の買い物などに流用していたということです。
東京国税局は、宮司が去年までの7年間に私的に流用したおよそ2億5000万円は、法人から宮司への「給与」にあたり法人が所得税を源泉徴収する義務があるとして所得隠しを指摘し、法人と宮司に重加算税を含むおよそ1億3000万円を追徴課税しました。
NHKの取材に対し、宮司は「コメントできない」としています。
相次ぐ宗教法人の「源泉徴収漏れ」
神社や寺の収入を個人的に流用するなどして宗教法人が「源泉徴収漏れ」を指摘されるケースは、全国で相次いでいます。
法人税法では宗教法人の事業のうち、お守りやおみくじの販売などの「宗教活動」については、法人として納税の必要がなく非課税です。
こうした非課税の収入であっても宗教法人の代表などが、その収入を個人的に流用した場合は、法人が代表などの個人に対して支払った給与にあたるとされ、法人が所得税を源泉徴収し納税する義務が生じます。
しかし、関係者によりますと、さい銭やお布施などは領収書を発行しない現金収入であったり、法人の収入と生活費などを同じ口座で管理したりすることもあり、「源泉徴収漏れ」につながっているということです。
国税庁によりますと、去年6月までの1年間に調査を行った全国の宗教法人1975法人のうち7割余りにあたる1429法人で「源泉徴収漏れ」が指摘され、およそ15億円を追徴課税したということです。
国税庁は宗教法人向けのパンフレットを作成し、法人の収入と住職などの個人の家計は明確に区分するよう呼びかけるとともに、法人が住職などの飲食代や子どもの学費を負担した場合は、給与にあたるとされ源泉徴収の対象となることなどを説明しています。