対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した米オープンAIで、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が解任されたことに抗議して従業員505人が取締役に辞任を迫り、自分たちも退職すると通告した。
従業員側は書簡の中で、アルトマン氏を解任した取締役会に不手際があったなどと主張。アルトマン氏が取締役会に真意を明かさず、経営陣との交渉に対して不誠実だったと取締役会が説明したことについても、それを裏付ける根拠がないと訴えている。CNNはこの書簡を入手した。
書簡ではアルトマン氏を解任した取締役会について「あなた方にオープンAIを監督する能力がないことがはっきりした」と述べ、「能力も判断力もなく、我々の理念も従業のことも気にかけない人々と共に働くことはできない」としている。
その上で、取締役が辞任してアルトマン氏と社長だったグレッグ・ブロックマン氏を復帰させなければ、自分たちもアルトマン氏を追ってマイクロソフトに入社すると通告。「マイクロソフトはオープンAIの従業員全員の採用を保証している」とした。
書簡によれば、アルトマン氏解任後の混乱を収拾する目的で、取締役会は経営陣に対し、会社を破壊させることがオープンAIの理念に合致すると伝えたとされる。オープンAIは、人工知能によって全人類に恩恵をもたらすという理念を掲げている。