銀河系の中心部にある超大質量ブラックホール「いて座A*」は高速回転していて、周囲の時空を変化させています―――。新たな研究でそんな実態が明らかになりました。
時空とは、私たちがどのように空間を認識するかを説明する4次元連続体のことです。1次元の時間と3次元の空間を組み合わせることで、空間構造が巨大天体の影響で湾曲する様子を表すものです。
物理学者のチームは今回、宇宙の高温領域から放射されるX線を検出するNASA(米航空宇宙局)の「チャンドラX線観測衛星」を使い、地球から2万6000光年離れたブラックホールを観測しました。
英王立天文学会月報に10月21日発表された研究結果によると、研究チームは「アウトフロー法」と呼ばれる手法を活用して「いて座A*」の自転速度を算出ました。