直近の年に資産10億ドル(約1480億円)を超える「ビリオネア」となった人々の資産について、相続を通じて得た富が事業によって獲得した額を上回っていることがスイス金融大手UBSの11月30日の報告書で分かりました。同行が約10年前、世界の富豪の資産追跡を開始して以降、初めての現象だということです。
また財産を引き継いだビリオネアらは、自身の親たちよりも世界経済が直面する好機や課題に注力する公算が大きく、クリーン・エネルギーや人工知能(AI)に投資を集中させる傾向が強いことも明らかになりました。
UBSのグローバルウェルスマネジメント部門で戦略顧客の管理を担当するベンジャミン・カバリ氏は「巨万の富の譲渡が大変に勢いを増している。裕福な起業家の多くが高齢になっているためだ」と指摘しました。向こう20年でこの傾向に拍車がかかると予想した上で、その間1000人を超えるビリオネアが推計で5兆2000億ドル(約770兆円)を自分たちの子どもに譲渡するとの見解を示しました。