伝染性紅斑、いわゆるリンゴ病は、かぜのような症状が出たあと、ほおなどに赤い発疹が出るのが特徴で、過去に感染したことがない妊婦の場合流産や死産につながったり、胎児に異常が起きたりするおそれがあります。
国立感染症研究所によりますと、12月15日までの1週間に全国およそ3000の医療機関から報告されたリンゴ病の患者の数は、1医療機関当たり0.94人と、前の週を0.02人上回り、この時期としては過去10年で最も多くなっています。
都道府県ごとに見ますと
▽埼玉県が3.77人と最も多く
次いで
▽青森県が3.03人
▽東京都が2.84人
▽千葉県が2.31人などとなっています。
また、子どもに多いマイコプラズマ肺炎の流行も続いていて、12月15日までの1週間に全国およそ500の医療機関から報告された患者の数は、1医療機関当たり1.81人と前の週から0.48人減ったものの、この時期としては過去10年で最も多くなっています。
専門の学会などはマスクの着用や手洗いといった基本的な感染対策を徹底し、症状がある人との接触を避けたり、早めに医療機関を受診したりするよう呼びかけています。
専門家「旅行や帰省も 十分な休息や睡眠を」
冬休みを過ごす際の注意点について、感染症に詳しい川崎医科大学の大石智洋 教授は「冬休みは楽しいイベントがたくさんあるが、夜更かしをしたり、旅行や帰省で長時間移動したりと、生活のリズムが乱れて疲れがたまってしまうことも多いと思う。できるだけ規則正しい生活を心がけるとともに、特に旅行や帰省の際は十分に休息や睡眠をとることをふだん以上に意識してほしい」と呼びかけていました。
また、対策については「感染を広げないためには体調がすぐれないと感じたら少しせきや鼻水が出るといった程度でも無理せずに休むことが大切だ。年末年始は多くの医療機関が休診するので旅行先や帰省先で体調が悪くなったときにどの医療機関を受診すればよいか事前に調べておき、安心して過ごせるようにしてほしい」と話していました。