ウクライナ軍が越境攻撃を行っているロシア西部のクルスク州では、およそ1万1000人の北朝鮮軍の兵士が、ロシア軍とともに展開しているとされています。
ロシアの首都モスクワの西側外交筋は、今月中旬NHKの取材に対し、ロシアへの北朝鮮兵の派遣は、当初は兵士不足に悩むロシア側の要求によるものだと見られていたものの、実際には北朝鮮側が主導したものだと明らかにしました。
また、ロシアの外交筋も、兵士の派遣は、ことし8月ごろ北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記が、最大で10万人の兵士を派遣する意向があると、ロシア側に提案したことを受けて、実行に移されたと明らかにしました。
この外交筋によりますと、北朝鮮側は、兵士を提供する見返りに、最新の軍事技術をロシア側から得たいという思惑があったほか、西側外交筋は、朝鮮半島有事の際には、確実にロシアの後ろ盾を得られる布石にしたいねらいがあったと指摘しています。
北朝鮮兵のロシアへの派遣を巡っては、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズも23日、アメリカ政府高官の話として、北朝鮮側の考えに基づくものだったと伝えています。