グーグルの日本法人が開発しているのは、カメラを正面に向けた状態でランナーの腹部にスマートフォンを取り付け、画像認識のAI=人工知能が、地面に引かれた線とランナーの位置関係を瞬時に分析する技術です。
線に沿って走ると小さな音しか鳴りませんが、線からそれるほど大きな音が鳴る仕組みで、目が不自由な人が音を頼りに一人でもランニングを楽しめるよう、実用化を目指しています。
視覚障害者で、この開発プロジェクトに参加し、一人で10キロを完走したという御園政光さんは「伴走者と走るのと一人で走るのは違う感覚で、自由で気持ちいいです」と話していました。
会社は、落ち葉や泥などで線が隠れているような状態でも正確に作動するよう、今後も開発を続けるということです。
グーグルの川島高さんは「障害のある人でも、身近なスマホを使うことでスポーツや運動することにアクセスできるようにしたい」と話していました。
自動車メーカーのホンダも、スマートフォンの位置情報を活用しながら、靴の前後、左右を振動させて進む方向を知らせる装置を開発するなど、デジタル技術を活用して目が不自由な人の屋外の活動を支援する動きが広がっています。