ベトナムの最大都市ホーチミンで22日、初めて地下鉄が開業した。
地元メディアによれば、都市鉄道1号線の最初の乗客になろうと数百人が列を作った。
路線は市の中央にあるベンタイン市場と郊外に位置するスオイティエン公園を結ぶ。全14駅で、三つが地下駅となっている。
開業式に出席した市の当局者は、17年におよぶ計画と12年におよぶ建設を経て、地下鉄が開通したことは、市内の公共交通機関の発展にとって重要な節目となると語った。
ベトナム政府は、人口約900万人を擁し渋滞で知られるホーチミンの交通量の削減につながることを期待している。
政府は8路線の建設を計画しているものの、他の路線については開業日を明らかにしていない。
旅行者にとってうれしいのは開業から1カ月は運賃が無料ということだ。さらに駅と接続する電動バスも無料で利用できる。
その後、距離に応じて、7000ドン(約43円)から2万ドン(約123円)のチケットを購入することになる。高齢者や体の不自由な人の運賃は無料。学生や、電子決済アプリを使う旅行者は運賃を割り引く。運行時間は午前5時から午後10時。
ベトナムの交通インフラをめぐっては、アジアでの影響力を高めることを狙っている日本と中国との間で激しい競争があった。
ホーチミン市での43兆7000億ドンの地下鉄建設プロジェクトを日本が支援する一方、中国の支援を受けたベトナム初となる地下鉄は2021年に首都ハノイで開業していた。
ハノイとホーチミンを結ぶ高速鉄道の計画もある。