中国南部の
広東省で
先月、
暴走した
車が
大勢の
人をはね、35
人が
死亡した
事件で、
現地の
裁判所は
車を
運転していた
被告に
死刑を
言い渡しました。
発生から
およそ1
か月半での
判決で、
中国当局としては
無差別の
殺傷事件が
各地で
相次ぐ中、
同様の
事件の
再発を
防ぐため、
厳しい姿勢を
示したものとみられます。
中国国営の新華社通信によりますと、広東省珠海の運動施設で先月11日、暴走した車が大勢の人をはね、35人が死亡した事件で、裁判所は27日、この車を運転し、現場で拘束された60代の樊維秋被告に対して、公共の安全に危害を与えた罪で死刑を言い渡しました。
判決で裁判所は「被告が離婚後の財産分与をめぐって不満を募らせ、車で人混みに突っ込んで個人的な恨みを晴らそうとした。結果は重大で社会に極めて大きな危害を与えた」としています。
中国国内ではこのところ、市民が無差別に襲われる殺傷事件が相次ぎ、経済的な苦境や社会に対する不満などが背景にあると指摘されています。
今回の事件のあと、習近平国家主席は犯人を厳罰に処し、社会の安定を全力で守るよう指示を出していて、事件発生からおよそ1か月半での死刑判決は、中国当局として同様の事件の再発を防ぐため厳しい姿勢を示したものとみられます。