フランス・パリのノートルダム大聖堂の再開を祝う記念式典に出席するため、大統領選挙後初めてとなる外国訪問でフランスを訪れているトランプ氏は7日、式典を前にフランスの大統領府でマクロン大統領と会談しました。
会談の冒頭、マクロン大統領が「またパリに戻ってきてくれてうれしい」と歓迎したのに対し、トランプ氏は、「フランスとは防衛など多くの分野で協力し、成功してきた。今、世界は少しおかしくなっている。そのことについて話し合いたい」などと述べました。
会談には、途中からウクライナのゼレンスキー大統領も合流し、詳しい内容は明らかになっていませんが、3者でウクライナ情勢の今後などについて協議を行ったものとみられます。
会談後、3人はそろって報道陣に姿を見せ、握手を交わしながら、声をかけ合っていました。
ゼレンスキー大統領は、SNSに投稿し、「良好かつ生産的な会談だった」とした上で、「トランプ氏はいつも通りきぜんとしている。われわれは、互いに連携を取り続けることを確認した。力による和平は可能だ」としています。
また、公正なやり方で戦争を終結させる必要があると強調し、一方的に譲歩を強いられる状況は容認できないという立場をあらためて伝えたとみられます。
ウクライナ情勢についてトランプ氏は交渉を通じた早期の戦争終結に意欲を示していて、来月の大統領就任を前にどのような姿勢を示したのか注目されます。
ゼレンスキー大統領“良好かつ生産的な会談だった”
ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、アメリカのトランプ次期大統領とフランスのマクロン大統領との三者会談についてSNSに投稿し「良好かつ生産的な会談だった」とした上で「トランプ氏はいつも通りきぜんとしている。われわれは、互いに連携を取り続けることを確認した。力による和平は可能だ」と強調しました。
【解説動画】会談での成果は
式典が行われていたノートルダム大聖堂前にいる、ヨーロッパ総局の田村銀河記者の解説です。
Q.式典に先立ってアメリカのトランプ次期大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領、フランスのマクロン大統領の3者会談も行われました。
A.大聖堂の再開で祝賀ムードに包まれたパリが一転、注目の外交舞台となりました。3者による会談は、ここから4キロほど離れた大統領府で行われました。
トランプ次期大統領とマクロン大統領の会談に、ゼレンスキー大統領が合流する形で行われ、30分ほど続きました。今回の会談は、マクロン大統領が強く希望していたものだとフランスメディアは伝えています。
3者会談のことは事前には発表されておらず、フランス側は慎重に調整を進めてきたとみられ、マクロン大統領は会談の後、「歴史的な日になった」と意義を強調しました。
Q.会談で何か成果はあったのでしょうか?
A.詳しい内容は明らかになっていません。ただ、ゼレンスキー大統領は「公正な平和」についても話したとSNSで明らかにしました。ウクライナが一方的に譲歩を強いられるような戦争の終わらせ方は容認できないという立場を伝えたとみられます。
フランスをはじめヨーロッパ各国もトランプ氏が強引に戦争の終結を図ることでロシアを利することにならないか警戒しています。こうした考えに対してトランプ氏がどのような反応を示したのか、ここが重要だが明らかになっていません。
国を挙げた一大イベントにあわせて重要な会談を開いたフランス。停戦交渉をにらんだ仲介役を果たしたいとするその思惑も垣間見えたものの、具体的な成果が得られたのかは不透明です。