“ノーベル賞しょう有力ゆうりょく視しの研究けんきゅう者しゃ22人にん”英えい学術がくじゅつ情報じょうほうサービス会社かいしゃ発表はっぴょう

世界中せかいじゅうの研究けんきゅう論文ろんぶんを分析ぶんせきするイギリスの学術がくじゅつ情報じょうほうサービス会社かいしゃ「クラリベイト」は、世界せかいの研究けんきゅう者しゃが発表はっぴょうしたおよそ6100万まん本ほんの研究けんきゅう論文ろんぶんの引用いんよう回数かいすうなどを分析ぶんせきして、毎年まいとし、ノーベル賞しょうの受賞じゅしょうが有力ゆうりょく視しされる研究けんきゅう者しゃに「クラリベイト引用いんよう栄誉えいよ賞しょう」を贈おくっています。

ことしは、6か国かこくの研究けんきゅう機関きかんから22人にんが選えらばれ、このうちノーベル化学かがく賞しょうの有力ゆうりょく候補こうほの1人にんとして、東京とうきょう大学だいがくの堂どう免めん一成いっせい特別とくべつ教授きょうじゅ（70）が選えらばれました。

堂どう免めん特別とくべつ教授きょうじゅは、太陽たいようの光ひかりを当あてることで水みずを水素すいそと酸素さんそに分解ぶんかいする「光ひかり触媒しょくばい」を使つかった人工じんこう光合成こうごうせいの研究けんきゅうで、水素すいそを効率こうりつ的てきに取り出とりだす手法しゅほうを開発かいはつしたことが評価ひょうかされました。

堂どう免めん特別とくべつ教授きょうじゅは、太陽たいようの光ひかりを当あてることで水みずを水素すいそと酸素さんそに分解ぶんかいする「光ひかり触媒しょくばい」を使つかった「人工じんこう光合成こうごうせい」の研究けんきゅうを1980年ねんごろから始はじめました。

当初とうしょの光ひかり触媒しょくばいでは、水みずを分解ぶんかいする際さいに太陽たいようの光ひかりのうち、波長はちょうの短みじかい紫むらさき外がい光こうしか利用りようできませんでしたが、堂どう免めん特別とくべつ教授きょうじゅは、波長はちょうの長ながい可視かし光こうも利用りようできる光ひかり触媒しょくばいを開発かいはつし、効率こうりつ的てきに水みずを分解ぶんかいして水素すいそを取り出とりだすことに成功せいこうしました。

2021年ねんには、光ひかり触媒しょくばいを付着ふちゃくさせたおよそ100平方メートルへいほうめ-とるのパネルを屋外おくがいに設もうけて水みずを注そそぎ、太陽たいようの光ひかりを受うけて発生はっせいした水素すいそと酸素さんそが混まざった気体きたいを穴あなの空あいた膜まくに通とおすことで、水素すいそを高たかい純度じゅんどで安全あんぜんに抽出ちゅうしゅつする手法しゅほうを開発かいはつしました。

水素すいそは燃焼ねんしょうしても二に酸化さんか炭素たんそが発生はっせいしない燃料ねんりょうとして活用かつようできるほか、化学かがく産業さんぎょうの現場げんばでは原料げんりょうとしても用もちいられています。

堂どう免めん特別とくべつ教授きょうじゅによりますと、現在げんざい、水素すいそは化石かせき資源しげんから取り出とりだす方法ほうほうが一般いっぱん的てきですが、製造せいぞうの際さいに二に酸化さんか炭素たんそが発生はっせいするため、地球ちきゅう温暖おんだん化かへの影響えいきょうなどが課題かだいとなっていて、環境かんきょう面めんからも人工じんこう光合成こうごうせいへの期待きたいが高たかまっているということです。

堂どう免めん特別とくべつ教授きょうじゅは「社会しゃかい実装じっそうのレベルまでにはあと数すう年ねんはかかり、光ひかり触媒しょくばいの性能せいのうをもう少もうすこし上あげる必要ひつようがあるので今年度こんねんどにこの賞しょうを頂いただけるとは思おもっていませんでした。燃もやして使つかっても地球ちきゅうの環境かんきょうに悪わるくないような燃料ねんりょうを出来できるだけ安やすく、大量たいりょうに供給きょうきゅうできるようなシステムを作つくり、エネルギー問題もんだいで起おきている世界中せかいじゅうの紛争ふんそうが無なくなる社会しゃかいがやってきてほしいです」と話はなしていました。

また、生理学せいりがく・医学いがく賞しょうの有力ゆうりょく候補こうほの1人にんとしては、東京とうきょう大学だいがく出身しゅっしんで、運動うんどうや学習がくしゅうなどをつかさどる「大脳だいのう基底きてい核かく」の生理学せいりがく的てきな研究けんきゅうに貢献こうけんした、アメリカの国立こくりつ衛生えいせい研究所けんきゅうじょに所属しょぞくする彦坂ひこさか興きょう秀しげる氏しが選えらばれています。

「クラリベイト引用いんよう栄誉えいよ賞しょう」を受賞じゅしょうした研究けんきゅう者しゃは、去年きょねんまでに421人にんいて、このうち75人にんがノーベル賞しょうを受賞じゅしょうしています。

ことしのノーベル賞しょうの発表はっぴょうは、来月らいげつ7日にちの生理学せいりがく・医学いがく賞しょうから始はじまり、8日にちに物理ぶつり学賞がくしょう、9日にちに化学かがく賞しょう、10日にちに文学ぶんがく賞しょう、11日にちに平和へいわ賞しょう、14日にちに経済けいざい学賞がくしょうの発表はっぴょうがそれぞれ行おこなわれます。