新型しんがたコロナ 重症じゅうしょう者しゃの数かぞえ方かた 8都府県とふけんで国くにと異ことなる基準きじゅんで集計しゅうけい

新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんし重症じゅうしょうとなった人ひとの集計しゅうけいについて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、ことし4月つき、全国ぜんこくの都道とどう府県ふけんなどに通知つうちを出だし、集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつ（ＩＣＵあいし-ゆ-）などに入はいっているかや、人工じんこう呼吸こきゅう器きや、「ＥＣＭＯ」と呼よばれる人工じんこう心肺しんぱい装置そうちが必要ひつような状態じょうたいとなっているかの、いずれかに当あてはまる人ひとを報告ほうこくするよう求もとめました。

ＮＨＫえぬえいちけいが各地かくちの放送ほうそう局きょくを通をつうじて都道とどう府県ふけんなどに重症じゅうしょう者しゃの集計しゅうけい方法ほうほうを聞きいたところ、8つの都府県とふけんで国くにの基準きじゅんとは異ことなる方法ほうほうで集計しゅうけいしていることがわかりました。

このうち、静岡しずおか県けん、滋賀しが県けん、京都きょうと府ふ、高知こうち県けん、福岡ふくおか県けんの5つの府県ふけんでは、集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに入はいっているだけでは重症じゅうしょう者しゃに数かぞえず、人工じんこう呼吸こきゅう器きか「ＥＣＭＯ」を使つかっている人ひとなどを重症じゅうしょう者しゃとして報告ほうこくしています。

その理由りゆうについては、集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに入はいっている患者かんじゃが必かならずしも重症じゅうしょうとは限かぎらないことなどをあげています。

東京とうきょう都とも集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつの患者かんじゃすべてが必かならずしも重症じゅうしょうではないなどとして人工じんこう呼吸こきゅう器きか「ＥＣＭＯ」を使つかっている人ひとのみを集計しゅうけいしていましたが、今後こんごはこれに加くわえて国くにの基準きじゅんでも集計しゅうけいし、報告ほうこくすることにしています。

このほか、茨城いばらき県けんと和歌山わかやま県けんも国くにの基準きじゅんと異ことなる集計しゅうけいを行おこない、公表こうひょうしていますが、これ以外いがいに国くにの基準きじゅんに沿そった集計しゅうけいも行おこない報告ほうこくしているということです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょう「国くにの基準きじゅんで報告ほうこくを」

新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんし、重症じゅうしょうとなった人ひとの数かずを、一部いちぶの都府県とふけんが、国くにと異ことなる基準きじゅんで集計しゅうけいしていたことを受うけて厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、都道とどう府県ふけんなどの担当たんとう者しゃに対にたいし、国くにの基準きじゅんにのっとって報告ほうこくするよう20日にち中ちゅうに改あらためて周知しゅうちすることにしています。都道とどう府県ふけんごとの最新さいしんの「重症じゅうしょう者しゃ」の数かずは、21日にちに公表こうひょうされる見通みとおしです。

西村にしむら大臣だいじん「今後こんご改あらためて周知しゅうち」

西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは、記者きしゃ会見かいけんで、「各かく自治体じちたいに対にたいしては、厚生こうせい労働ろうどう省しょうが4月つき26日にちに通知つうちを出だし、重症じゅうしょう者しゃの定義ていぎを明確めいかくにした上うえで、調査ちょうさ報告ほうこくを依頼いらいしている。重症じゅうしょう者しゃの命いのちを守まもるためには、数字すうじを正確せいかくに把握はあくして、状況じょうきょうに応おうじた対応たいおうをする医療いりょう提供ていきょう体制たいせいをしっかりと確保かくほしていくことが大事だいじだ。今後こんご、改あらためて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうで各かく自治体じちたいに対にたいし周知しゅうちを図はかっていく」と述のべました。

また、西村にしむら大臣だいじんは、21日にち午前ごぜん10時半じはんから、専門せんもん家かによる政府せいふの分科ぶんか会かいを開催かいさいし、感染かんせん状況じょうきょうの分析ぶんせきやワクチン接種せっしゅのあり方ありかたなどを議論ぎろんすることを明あきらかにしました。

分科ぶんか会かいは、週しゅう明あけ24日にちにも改あらためて開ひらき、8月つき末まつまでとなっているイベント開催かいさいの制限せいげんを緩和かんわするかどうか検討けんとうするということです。

東京とうきょう都と ICUの患者かんじゃ全員ぜんいんが必かならずしも重症じゅうしょうとはいえない

東京とうきょう都とは都内とないで集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに入はいっている新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんした患者かんじゃ全員ぜんいんが、必かならずしも重症じゅうしょうとはいえないと説明せつめいしています。

その理由りゆうとして、その時ときの病床びょうしょうの空あき具合ぐあいや運用うんよう方法ほうほうの違ちがいから重症じゅうしょうではない患者かんじゃを集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつで診みるケースや、重症じゅうしょうでなくても今後こんご、重症じゅうしょう化かするリスクが高たかい患者かんじゃをあらかじめ集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつで診みる病院びょういんがあるためだとしています。

また、流行りゅうこうの拡大かくだいによってそもそも集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつを症状しょうじょうの重おもさにかかわらず新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんした患者かんじゃ専用せんようとする病院びょういんもあるということです。

さらに、別べつの病気びょうきを患わずらっている人ひとが新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんした場合ばあい、症状しょうじょうは軽かるくても、別べつの病気びょうきの症状しょうじょうが重おもくなって集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに入はいるケースもあるということです。

また、人工じんこう呼吸こきゅう器きをつけていても集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつではなく一般いっぱんの病床びょうしょうで治療ちりょうをうける患者かんじゃもいるということです。

このため、都ととしては、集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに入はいっているかいないかにかかわらず、人工じんこう呼吸こきゅう器きか「ＥＣＭＯ」と呼よばれる人工じんこう心肺しんぱい装置そうちを使つかっている患者かんじゃのみを「重症じゅうしょう者しゃ」として集計しゅうけいしているということです。

また、都とは、重症じゅうしょうの患者かんじゃが人工じんこう呼吸こきゅう器きや「ＥＣＭＯ」を使用しようしなくなったならば、客観きゃっかん的てきにみても回復かいふく傾向けいこうにあるといえるとしています。

このため、都とは、医療いりょう機器ききの導入どうにゅうの状況じょうきょうに基もとづいた都との基準きじゅんは客観きゃっかん的てきで明確めいかくだとしています。

小池こいけ都知事とちじ「国くにの基準きじゅんに基もとづいて情報じょうほうを提供ていきょう」

国くにの基準きじゅんに基もとづいて都内とないの新型しんがたコロナウイルスの重症じゅうしょう者しゃを報告ほうこくするよう求もとめられていることについて、小池こいけ知事ちじは、「国くにがそのようにおっしゃるので国くにへはその方向ほうこうで情報じょうほうを提供ていきょうする」と述のべました。

一方いっぽうで、都とは、これまでの都との基準きじゅんは変更へんこうせず、モニタリングを行おこなう指標しひょうとして引き続ひきつづき使用しようし、都内とないの重症じゅうしょう者しゃとして毎日まいにち、公表こうひょうすることにしています。

これについて小池こいけ知事ちじは「現場げんばの医療いりょう施設しせつを最もっとも戦略せんりゃく的てきに生いかせる方法ほうほうとして、集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつという場所ばしょよりも、むしろ医療いりょう器具きぐやそれぞれの患者かんじゃの状況じょうきょうなどを専門せんもん家かが分析ぶんせきしてこれまでもモニタリングを進すすめてきた。国くにへの情報じょうほう提供ていきょうは1週間しゅうかんに1回かいだが、都とのモニタリングは毎日まいにちやっている。現場げんばの状況じょうきょうを最さい優先ゆうせんした形かたちでのモニタリングは引き続ひきつづき進すすめていく姿勢しせいだ」と述のべました。

東京とうきょう都と医師いし会かい「見みようとしているものが違ちがう」

東京とうきょう都と医師いし会かいの猪口いのぐち正ただし孝こう副ふく会長かいちょうは、「東京とうきょう都との指標しひょうは、都内とないの医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの状況じょうきょうを見みていくために決きめたものだ。本当ほんとうにシビアな重症じゅうしょうの患者かんじゃさんたちに対にたいして、都とは今後こんご、どういう医療いりょう提供ていきょう体制たいせいを構築こうちくしていくべきか、それを予想よそうし、それに合あわせた作戦さくせんを作つくっていくために利用りようするものだ」と説明せつめいしました。

そして、国くにの基準きじゅんのようにＩＣＵあいし-ゆ-に入はいっている患者かんじゃを重症じゅうしょう者しゃに含ふくめることについては「都内とないのＩＣＵあいし-ゆ-の患者かんじゃ数すうは、重症じゅうしょうの患者かんじゃをカウントしているとは限かぎらない状況じょうきょうだ。本当ほんとうに助たすけなくてはいけない、命いのちの危険きけんが迫せまっている患者かんじゃをカウントするためには、東京とうきょうの指標しひょうで重症じゅうしょう者しゃ数すうを捉とらえて、将来しょうらいの推計すいけいを図はかることが必要ひつようだと考かんがえる」と述のべました。

そのうえで、国くにの基準きじゅんについては「国くにが全国ぜんこくをフォローしてその医療いりょう体制たいせいが非常ひじょうに切迫せっぱくしていくときに、ほかの自治体じちたいと比くらべてどこを支援しえんするか決きめるために使つかうものだ。どっちがいいとか悪わるいとかではなく、見みようとしているものが違ちがうと思おもう」と指摘してきしました。

「統一とういつ基準きじゅんで重症じゅうしょう者しゃ数すう出だすことは必要ひつよう」

感染かんせん症しょうに詳くわしい東京とうきょう医科いか大学だいがくの濱田はまだ篤郎とくろう教授きょうじゅは、「国くには重症じゅうしょう者しゃの病床びょうしょうのひっ迫ひっぱく具合ぐあいを流行りゅうこう段階だんかいの指標しひょうにしているので、都道とどう府県ふけんで統一とういつされた基準きじゅんで重症じゅうしょう者しゃの人数にんずうを出だしていくということは必要ひつようではないか。基準きじゅんが異ことなることはあまり望のぞましくないのではないか」と指摘してきしています。

そのうえで「ＩＣＵあいし-ゆ-に入はいっているというのがどういう意味いみで必要ひつようなのか。どういう定義ていぎなのか、もう少もうすこし明確めいかくにしたほうが各かく都道とどう府県ふけんが人数にんずうを正確せいかくに出だしていける。重症じゅうしょう者しゃ数すうを示しめす数値すうちの意味いみ付づけや、詳くわしい定義ていぎを国くにとしても出だしていったほうがいいと思おもう」と話はなしています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、新型しんがたコロナウイルスへの感染かんせんが確認かくにんされた人ひとで、人工じんこう呼吸こきゅう器きや集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつなどで治療ちりょうを受うけるなどしている重症じゅうしょう者しゃは、20日にち時点じてんで237人にんとなっています。

この人数にんずうは、国くにが、自治体じちたいが公表こうひょうした情報じょうほうをもとに集計しゅうけいしているということです。

一方いっぽう、症状しょうじょうが改善かいぜんして退院たいいんした人ひとなどは国内こくないで感染かんせんした人ひとが4万まん5266人にん、クルーズ船せんの乗客じょうきゃく・乗員じょういんが659人にんの合あわせて4万まん5925人にんとなっています。

また、今月こんげつ18日にちには速報そくほう値ちで1日にちに1万まん8957件けんのＰＣＲ検査けんさが行おこなわれました。