通報を受けた警視庁が確認したところ、給食で出されたぶどうをのどに詰まらせたことによる窒息死とみられることが分かったということです。
ぶどうは直径およそ3センチで、皮をむいた状態で1人当たり3つ出されていたということです。
当時は、25人の園児が幼稚園で作られた給食を一緒に食べていて、男の子の異変に気付いた教諭が応急措置を行ったということです。
警視庁が関係者から話を聞くなどして詳しい状況を調べています。
幼稚園の園長はNHKの取材に対して、「かけがえのない命が亡くなり、本当に申し訳なく思っております。原因が調査中で分からない部分もありますが、保護者や子どもたちの気持ちに寄り添いながら対応していきます」と話しています。
過去にも死亡のケース 専門家が注意呼びかけ
幼い子どもがぶどうをのどにつまらせるケースはこれまでにも起きていて、日本小児科学会によりますと、2013年には1歳6か月の男の子が亡くなっています。
国の専門家による会議は、保育施設などで起きる事故を防止するガイドラインの中で、ぶどうについて、誤ってのどに詰まらせる危険があるとして、給食で使うことを避ける食材の1つにあげています。
子どもの事故防止に取り組んでいるNPO法人の理事長で小児科医の山中龍宏さんは、「ぶどうなどのある程度の大きさや固さがある食べ物を子どもがのどに詰まらせる事故は、これまでにも起きていて、給食では4つぐらいに切ってから出すなどの対応が必要だ」と話しています。
そのうえで、「同じような事故が繰り返し起きており、予防策がうまくいっていないと感じる。保育施設に通達を出すとか講習会を開くといったことだけではなく、これまでよりも踏み込んだ対策を考えなければならないだろう」と指摘しています。
幼い子どもの親「対策してもらわないと不安」
東京都内で幼い子どもがいる親に話を聞きました。
3歳の娘がいる30代の母親は「のどに詰まらせるのが怖いので家では子どもにぶどうをあげていません。幼稚園でも小さくカットして出すなど気をつけてほしいです」と話していました。
また3歳の娘と1歳の息子がいる30代の母親は、「子どもから目を離すと、誰にでも起こりうると思うのでとても怖いです。幼稚園などには信頼して子どもを預けているので、きちんと対策をしてもらわないと不安になります」と話していました。