農林水産省のまとめによりますと、全国のスーパーでのコメの平均価格は3月16日までの1週間で、5キロあたり税込みで4172円となり、去年の同じ時期の2倍を超える高値になりました。
こうした中、スーパーはJA全農などが落札した備蓄米を卸売会社から仕入れ、販売に向けた準備を進めていて、首都圏にあるスーパーでは28日から備蓄米の販売が始まりました。
店頭での混乱を避けるため、米袋には備蓄米とは記載されておらず、5キロあたり税込みで3600円台から3700円台と、全国の平均価格よりも500円程度安く販売されています。
販売されているのは複数の品種を混ぜたブレンド米で、一般的な精米と無洗米の2種類あり、精米された時期は今月下旬と記載されています。
またより多くの人に購入してもらうため「1家族1点まで」と、購入できる点数に制限をつけて販売されていて、買い物客は価格を確認しながら手に取っていました。
大手卸売会社によりますと、28日に備蓄米の販売を始めたのは精米工場に近い首都圏の一部の店舗が中心で、今週末から順次、大手のスーパーを含む全国の店頭にも並ぶだろうとしています。
福島 備蓄米入荷に期待もめど立たず
コメの価格高騰が続く中、福島県大玉村のスーパーでも販売価格が1.5倍から2倍近くになっています。
このスーパーでは備蓄米が入荷すれば値下げにつながるとして期待を寄せていますが、28日までに仕入れ先から備蓄米の情報がないため、入荷のめどは立っておらず、今後さらに値上げする可能性もあるということです。
スーパーに訪れた70代の男性は「政府はもっと早く備蓄米を放出すべきだったが、ここまで高くなるとコメは買えません。日本人の主食なので安くしてもらえると助かります」と話していました。
スーパーの食品担当 齋藤優輝さんは「少しでも安いコメを求めて値段を問い合わせる電話が増えています。備蓄米が流通すれば供給も安定して今よりも安く提供できるはずなので心待ちにしていますが、しばらくは高値が続くと思います」と話していました。
江藤農相「3000円なら値ごろ感ある」
江藤農林水産大臣は28日の閣議のあとの会見で「報道でも見たが、安いもので3000円から店頭に並び始めたということだ。最初は備蓄米だけでブレンドしたものが出ると思うが、3000円ならだいぶ値ごろ感がある」と述べました。
そのうえで「おとといからきょうまで2回目の入札を実施している。必要に応じて21万トンから販売量を拡大することはあるので、これらによって目詰まりが解消され、価格が落ち着くことを期待している」と述べ、備蓄米が市場に出回ることで、高値が続くコメの価格の安定につながることに期待を示しました。
林官房長官「価格が落ち着くこと期待」
林官房長官は午後の記者会見で「一部のスーパーでは税抜きで5キロあたり3000円台前半で販売されているものがあると報告を受けている。2回目の入札も実施しているところだが必要であれば、ちゅうちょなくさらなる対応を行う。一連の措置により、コメの流通の目詰まりが解消し上昇した価格が落ち着いていくことを期待している」と述べました。