この地震で国連やアメリカ、ロシアが支援を表明する一方、イギリスの公共放送BBCは、軍と民主派勢力側との間で戦闘が続く中、軍が救助活動などに対応できるのか不透明だと伝えています。
国連 ミャンマーに7億5000万円余りの緊急支援金
国連のグテーレス事務総長は28日の記者会見で「ミャンマーの当局は国際的な支援を求めている。ミャンマーの人たちを支援するために、現地の国連のチームは連絡を取り合っている」と述べました。
国連は、ミャンマーでの人命救助と復旧作業のために500万ドル、日本円にして7億5000万円余りの緊急支援金をあてることを決めたということです。
国連によりますと、ミャンマーでは4年前のクーデター以降、軍と民主派勢力側との戦闘で350万人以上が家を失い、およそ2000万人が支援を必要とする状況が続いていて、今回の地震によってすでに悲惨な人道状況のさらなる悪化が懸念されるということです。
米 トランプ大統領「支援する」
アメリカのトランプ大統領は大地震が発生したミャンマーに速やかに支援を提供する意向を示しました。
トランプ大統領は28日、ホワイトハウスで記者団からミャンマーで実権を握る軍が支援を求めていることについて質問され、「支援するつもりだ。関係者には態勢をとらせた。被害は深刻で、すでに、われわれは相手国側と話をした」と述べました。
また、国務省のブルース報道官は28日の記者会見で、被災した地域に災害対応の専門家チームを派遣して食料や安全な飲料水などを提供する用意があるとして、正式な要請を受けしだい、支援を始める考えを示しました。
ロシア ミャンマーに120人規模の救助隊を派遣
ロシア非常事態省は28日、輸送機2機を使って、120人規模の救助隊や災害救助犬などをミャンマーに派遣したと発表しました。
ロシア非常事態省が公開した映像では、救助隊のメンバーが首都モスクワの近郊にある空港で出発の手続きを行ったり、輸送機に車両を積み込んだりしたあと、荷物を背負って輸送機に乗り込んでいます。
ロシアとミャンマーの間では、今月4日、ミャンマーで実権を握る軍のトップであるミン・アウン・フライン司令官がロシアを訪問してプーチン大統領と会談するなど、関係強化が進められています。
英BBC 戦闘が続き救助活動など不透明
28日、ミャンマー中部で起きたマグニチュード7.7の大地震について、イギリスの公共放送BBCは、4年前のクーデター以降、軍と民主派勢力側との間で戦闘が続く中、軍が救助活動などに対応できるのか不透明だと伝えています。
このうち、今回の地震の震源に近い北西部のザガイン管区では、数か月前に軍と民主派勢力側の間で戦闘が起きているほか、第2の都市マンダレーの周辺でもこれまでに衝突が起きるなど、情勢は不安定だとしています。
WFP=世界食糧計画は、ミャンマーはすでに深刻な食料危機にあり、ことし、4人に1人が食料不足に直面するとしていて、地震の影響で人道状況がさらに悪化することを懸念しています。
石破首相 タイ首相にお見舞いメッセージ
石破総理大臣は地震により被害が出ているタイのペートンタン首相に宛ててお見舞いのメッセージを出しました。
この中では「大きな被害が出ているとの報に接し、大変心を痛めています。被害に遭われた方々に対し、心からお見舞い申し上げます。われわれはよき友人であるタイ国民と共にあります」としています。