今月28日に発生した、ミャンマー中部を震源とするマグニチュード7.7の大地震では、第2の都市マンダレーや首都ネピドーなどで大きな被害が出ています。
ミャンマーで実権を握る軍のトップ、ミン・アウン・フライン司令官は、これまでにおよそ1700人が死亡したほか、およそ3400人がけがをしたと明らかにしました。
被災地では多くの建物が倒壊し、閉じ込められている人たちの救助活動が続いています。
このうち、中部、マンダレーにある大型マンションでは低層階の部分が潰れて大きく壊れました。
いまも大勢の住民が壊れた建物の中に閉じ込められているとみられ、救助活動が続いています。
現地の関係者によりますと、このマンションには、地震のあと、連絡が取れなくなっている日本人が住んでいたということです。
日本の外務省は、地震に巻き込まれた可能性があるとみて、現地の日本大使館からミャンマー当局に対し、捜索・救助の要請を行っています。
一方、隣国タイの首都バンコクでもこの地震で建設中の高層ビルが倒壊し、地元当局によりますと、これまでに少なくとも11人が死亡し、70人以上と連絡がとれなくなっているということです。
現場では大型のクレーンや掘削機を使っての捜索が夜を徹して続けられています。
31日午後には生存率が急激に下がるとされる、地震発生から72時間となることから、一刻も早い救助が求められています。
倒壊したマンションの衛星画像では
ミャンマー中部マンダレーを去年4月に撮影した衛星画像には今回、倒壊したマンションが写っていました。
4棟がつながった形で長さ100メートルほどのマンションが池のほとりに建っているのが確認できます。
一方、今回の地震の翌日、29日の衛星画像では、マンションの西側の3棟が南側に大きく傾いて倒壊し、上層階が激しく崩れている様子がわかります。
また、周辺ではがれきとみられるものが散乱している状況も確認できます。
救助活動が続くマンションを紹介するフェイスブックのページには、建物内にある会議室やイベントなどを開くことができる屋上のスペースなどの写真が掲載されています。
また、英語による説明では屋上プールやジムがあり、耐震構造になっていると書かれています。
NHKの取材班は、30日午後、ミャンマーの首都ネピドーから震源地に近いマンダレーに向かう途中で銀行の建物が崩壊した現場を撮影しました。
建物の屋根はあとかたもなく大きく崩れ、がれきと化していました。
地元住民によりますと、この銀行では、働いていた従業員あわせて20人が亡くなったということです。
《タイ バンコクでは》
倒壊したビルでの捜索活動の最新情報です。
取材班 石井利喜記者
ビルが倒壊した現場の近くにいます。
あたりはまだ暗いのですが、大型のクレーンなどを使って捜索活動が行われています。この現場には、家族や友人などと連絡が取れない人たちが連日、集まっています。
交際している男性がここで作業をしていて行方不明のままとなっているタイ人の10代の女性に、さきほどわたしも話を聞きました。この女性は「もう一度会えると信じています。まだ希望を失っていません」と話していました。
こうしたなか、現地時間のきょう午後には、地震の発生から72時間となります。バンコクでは連日、最高気温が30度を超える暑さが続くなど、厳しい条件下で、懸命な捜索活動が続けられています。